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米国の台湾シフト鮮明 国連参加支持、対中包囲網と同時進行

【ワシントン=渡辺浩生】ブリンケン米国務長官は26日、台湾の国連組織への参加を支持するとした声明を発表した。声明は国連が中国の加盟と台湾の脱退を決議してから今月25日で50年を迎えた節目を踏まえ、この間の民主主義の成熟化や新型コロナウイルスの防疫の成功例などから、「台湾の排除は国連と関連機関の重要な活動を弱らせる」と強調。他の国連加盟国にも同調を呼びかけた。

米国務省は22日には台湾外交部(外務省に相当)と台湾の国連や他の国際機関参加拡大に向けた高官協議をオンラインで開催。先立つ21日にはバイデン大統領が、台湾を防衛する責任があると明言するなど〝台湾シフト〟を鮮明にする。

バイデン政権は、台湾を「不可分の領土」として威圧を強める中国に対抗し、外交・軍事的な対中抑止戦略と同時並行で、国際社会に台湾が占める「スペース(空間)」の拡大を後押しする方針とみられる。

ブリンケン氏は、台湾の民主化成功が「透明性、人権の尊重、法の支配といった国連の価値観と一致する」と評価。先端技術経済や文化、教育などソフトパワー拠点としても不可欠であり、「米国は台湾を価値あるパートナー、信頼する友人と考える国連加盟国の一つだ」と強調した。

そのうえで、地球規模の複雑な課題に対処するには、2400万人の台湾市民を含めた国際社会の取り組みが必要とし、台湾の国連組織への「意味ある参加は政治問題ではなく現実的な課題だ」と訴えている。

声明は、「(台湾の)世界一級のコロナ対応からわれわれは多くを学んだが、台湾は世界保健機関(WHO)総会にいなかった」と指摘。台湾の科学者や人権活動家らが「(国連の)諸活動への参加を遮断されてきた」と、名指しを避けつつ台湾除外を図る中国を批判した。

声明は、台湾の「国連加盟」の是非には一切触れず、米国の「一つの中国」政策から逸脱していないと言明した。当面はWHOや国際民間航空機関(ICAO)など台湾が一定の影響力を持つ分野での参加を後押しするものとみられる。

ただ、今回の声明発表は中国の習近平国家主席が国連加盟50年を記念した演説を行った後だけに、中国を刺激するのは必至である。

中国は巨大な軍事・経済力と国連安全保障理事会・常任理事国の地位を駆使して親中国家を増殖させ、台湾と外交関係を持つ小国に断交を迫ってきた。

声明は、そうした中国の覇権主義に対抗し、民主主義の価値を共有する台湾の国際的な活動範囲の拡大を狙ったものだ。台湾傾斜を強める欧州などから賛同が増えれば、対中包囲網を重層化・複雑化できるという思惑もあるとみられる。

バイデン氏が台湾防衛の責任があると言明するなど、急速に深化する米国の台湾関与を前に、「台湾統一」を歴史的悲願とする習政権がどのような対抗手段をとるか、注視が必要だろう。

■米の台湾国連参加支持に中国猛反発「絶対に認めず」


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