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中台外相が欧州で火花 東欧歴訪の台湾に中国が巻き返し

台湾の呉釗燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)が東欧諸国を訪問し、関係を強化する中、中国の王毅国務委員兼外相は27日、ギリシャなど欧州4カ国の歴訪を開始、巻き返しに乗り出した。台湾としては、共産主義へのアレルギーが根強く残る旧ソ連圏の東欧を足場に、欧州でのプレゼンスを少しでも拡大したい考えだ。これに対し中国の習近平政権は、関係が特に良好な欧州の国々で中国との結び付きをアピールする戦略とみられる。(北京 三塚聖平、台北 矢板明夫)

現在、欧州で台湾と外交関係があるのはバチカンのみだが、台湾の蔡英文政権は、民主主義や自由といった欧州と共通の価値観を掲げて、欧州諸国との関係強化を図っている。中でも近年、急接近しているのが、共産主義に苦しんだ経験をもつチェコやリトアニアなど旧ソ連圏諸国だ。

呉氏は27日にチェコを訪れ、昨年訪台したビストルチル上院議長と会談した。26日には、隣国スロバキアで「台湾とスロバキアは自由や人権といった価値観を共有しており、貿易、投資、産業面で協力を強化すべきだ」などと演説した。

呉氏はその中で、中国を念頭に「独裁国家による軍事的恫喝(どうかつ)やサイバー攻撃、偽情報の流布などを組み合わせた『ハイブリッド戦』が増えており、台湾の民主主義が脅威にさらされている」と強調。「台湾は決して独りではない。同じ価値観を持つ仲間はたくさんいる」と述べ、中国を牽制(けんせい)した。

呉氏に先立ち、台湾の国家発展委員会の龔明鑫(きょう・めいきん)主任委員(閣僚)が団長を務める経済視察団も21日からリトアニアと東欧を訪問。25日にはチェコと経済貿易、産業分野での協力に向けた覚書を締結した。

新型コロナウイルスの世界的な流行や香港、ウイグル問題などを受け、欧州では中国への警戒論が強まっている。それと軌を一にするように、9月には欧州連合(EU)が貿易や投資などの分野で台湾と関係を深めることに意欲を示した。

台湾を「核心的利益」とする習政権としては、そうした流れを押しとどめることが喫緊の課題となっている。

王氏が今回、27~29日の日程で歴訪する欧州の国々はギリシャ、セルビア、アルバニア、イタリアだ。

中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は25日の記者会見で、王氏が訪問する4カ国について「中国の欧州における重要な協力パートナーだ」と指摘した。イタリアは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への参画を先進7カ国(G7)で初めて表明した国で、ギリシャやセルビアも中国がインフラ整備で影響力を及ぼしている。

アルバニアは、1971年10月に、台湾の蔣介石政権が保持していた国連での「中国」の代表権を中華人民共和国政府に認め、蔣政権の追放を求める「アルバニア決議」の提案国の一つだ。習政権は同決議の正当性を強調しており、王氏も同国訪問を通じてそうした主張を行うとみられる。

中国メディアは、王氏の訪問について「台湾当局者の欧州訪問がもたらすマイナスの影響を相殺することができる」と指摘した。

こうした中、EU欧州議会の議員団が来週、台湾を訪問するとも報じられており、中国側が激しく反発している。

習国家主席は26日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、「フランスが、中国・EU関係の健全で安定した発展を推進するため、積極的な役割を果たすよう望む」と協力を求めた。


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