【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は1日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合に書面メッセージを寄せ、「先進国は自らのことに取り組むだけでなく、発展途上国のためにより多くの支援をすべきだ」との考えを示した。
中国は「世界最大の途上国」を自称しており、気候変動問題で先進国がより重い責任を負うべきだと改めて主張した形だ。排出削減目標の引き上げなど対策強化を求める米欧を牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。
中国外務省によると、習氏は「気候変動の良くない影響が日増しに顕在化している」と指摘。その上で、中国政府が10月下旬に発表した「エネルギー消費に占める非化石エネルギーの割合を2030年までに25%程度に引き上げる」ことを盛り込んだ二酸化炭素排出量削減に向けた行動計画などを強調した。
この計画は、習氏が昨年9月に表明した二酸化炭素排出量を60年までに実質ゼロにするという目標に基づき策定しており、COP26で焦点となる削減目標引き上げには応じない構えだ。世界最大の排出国である中国の姿勢は、各国にも影響を与えるとみられる。