奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館で約3年にわたる大規模改修が終わり、2日、館内が報道関係者に公開された。約3700点の展示品のうち約2割を入れ替え、重要文化財に指定されている黒塚古墳(同県天理市)の出土品を初めて常設展示するなど装いを一新。3日にリニューアルオープンする。
同館は昭和55年に開館した国内屈指の考古系博物館で、奈良県内の306遺跡の出土資料を展示する。
改修は老朽化した空調施設の取り換えと耐震性強化などが目的。平成30年12月から休館し、約13億円をかけて改修工事を進め、展示替えも行った。
黒塚古墳の関係品では、国内最多の出土数を誇る三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう、33面)のほか、画文帯(がもんたい)神獣鏡(1面)や鉄製品を初めて常設展示。「飛鳥美人」と呼ばれる高松塚古墳壁画・西壁女子群像(同県明日香村)の陶板なども見ることができる。
また、国宝の藤ノ木古墳(同県斑鳩町)の馬具や、国内最大の埴輪(はにわ)として知られるメスリ山古墳(同県桜井市)の円筒埴輪は、新たに展示台に免震装置を設置した。
岡林孝作館長は「今後は展示替えを定期的に行い、『常に新しいものが見られる』という博物館を目指したい」としている。