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【100歳時代】五輪・パラで活躍 シニアがボランティアに熱視線

今夏行われた東京五輪・パラリンピックは、約7万1千人の大会ボランティアが開催を支え、その2割ほどが60歳以上だった。大会後のアンケートでは今後も「スポーツボランティア活動を続けたい」との答えが8割に上った。社会参加の一つとしてボランティアへの関心が高まるなか、五輪・パラで参加したシニア世代の2人にどんな活動を行ったのかを聞いた。

日本武道館で畳を消毒するボランティア。各持ち場での献身的な仕事ぶりは海外からも称賛された(納冨康撮影)
日本武道館で畳を消毒するボランティア。各持ち場での献身的な仕事ぶりは海外からも称賛された(納冨康撮影)

選手の励みに

五輪でボクシング会場となった両国国技館(東京都墨田区)でボランティアとして活動した愛知県豊田市の会社員、土屋郁智さん(64)。自動車メーカーで設計や試作に携わり、定年後も再雇用で働いている。

十数年前、会社の野球部が出場した全国大会を観戦してスポーツの素晴らしさを知り、以降、障害者スポーツの大会運営のボランティアなどを数回経験。「60歳を過ぎて次の人生を見据え、社会の役に立てることを」と考えるなか、大会ボランティアの募集を知り、参加を決めた。

東京五輪・パラリンピック大会ボランティア・土屋郁智(ふみとも)さん
東京五輪・パラリンピック大会ボランティア・土屋郁智(ふみとも)さん

大会期間中、会場でボランティア向けの受け付けなど複数の業務を担当。選手専用スペースの入り口をガードする業務中には、新型コロナウイルスの感染対策で離れた場所からではあったものの、試合に向かう選手らに「がんばってください」と声を掛けることもできた。

「(金メダル獲得の)入江聖奈選手らが笑顔で応えてくれたりしたので、伝わったのかなと思った」

今大会は大半の競技が無観客開催となり、会場に生の声援は響かなかった。しかし、選手の中には会見などでボランティアの支えへの感謝を述べた人もいて、ボランティアの存在は選手の励みにもなったようだ。

重責を全う

五輪・パラでテコンドーなどが行われた幕張メッセ(千葉市美浜区)で活動したのは、東京都中央区のアルバイト、江頭紀子さん(62)。スタッフ向けに食堂への案内業務や会場内に点在するボランティア休憩室の消毒などを担当した。

新型コロナの感染を防ぐという重圧のなか、受け持ちの休憩室を頻繁に回り、机の拭き取りなどを何度も行った。「幕張メッセは広く、毎日の歩数が2万歩を超えた」

パラ大会後、英BBC放送(電子版)はボランティアの働きぶりを「称賛に値する」と評価した。また先月、大会組織委員会と、大会ボランティアの育成・研修などを行った「日本財団ボランティアサポートセンター」(ボラサポ)の共催でオンライン開催されたボランティアへの感謝イベントでは、パリ大会組織委員会の担当者が「東京のボランティアが素晴らしかったので、次回以降のハードルが上がってしまった」と語った。

五輪・パラを経た今、さらにボランティアへの関心が高まる。今後、始めてみたいという人に向け、土屋さんと江頭さんは「スポーツ大会の裏方から復興支援まで、さまざまなボランティアがある。自分の関心に合わせて始めてみては」と、口をそろえる。

こうした機運を受けボラサポは先月、参加できる活動の情報や、手話や災害ボランティアの基礎が学べるオンライン講座などの情報を集約したボランティア活動専門サイト「ぼ活!」(https://vokatsu.jp/)を開設。来年開催される水泳の世界選手権などのボランティア募集情報も発信している。(山本雅人)


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