岸田文雄首相は8日、新設する人権問題担当の首相補佐官に自民党の中谷元・元防衛相(64)を起用する方針を決めた。同日午前、首相官邸で中谷氏と面会し、方針を伝えた。10日に予定する第2次岸田内閣の発足に合わせ就任する。
中谷氏は面会後、記者団に「外相や経済産業相と協力し、国際的な人権問題に対処したい」と述べた。
首相は先の自民党総裁選で、人権問題を担当する首相補佐官を新設する考えを示していた。中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区や香港などでの人権弾圧に対応する狙いがある。外務省や法務省など関係する省庁を横断し、人権問題に関する情報収集や分析を担う。
中谷氏は衆院高知1区選出で当選11回。これまで党安全保障調査会長や防衛相などを歴任した。谷垣グループ(有隣会)の代表世話人を務め、先の総裁選では首相を支持した。