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【コロナ その時、】(34)2021年4月1日~ 高齢者に接種開始 初の蔓延防止措置

新型コロナウイルスの感染者数が下がりきらないまま、3月下旬に解除された緊急事態宣言。懸念された通り、4月に入ると「第4波」が列島を襲い、東京など4都府県に3度目の緊急事態宣言が発せられた。一方、65歳以上の高齢者に対するワクチン接種がスタート。前例のない大規模接種事業が全国で動き出した。

伊藤忠商事の東京本社ビル(東京都港区)1階ロビーでは4月1日、飾られた満開の桜を前に、岡藤正広会長と石井敬太社長が新入社員を拍手で迎えていた。新型コロナウイルス流行を踏まえ、昨年に続き入社式は取りやめたが、新入社員の記憶に残る日にしてもらおうとのはからいだった。

新年度を迎え、手探りでコロナとの共存を始めようとする日本列島。しかし、感染「第4波」の足音は着実に迫っていた。従来株より感染力が強いとされる英国型の変異株が、大阪、兵庫など関西地方で急速に広がっていたのだ。変異株への「置き換わり」は遅れて首都圏でも進み、医療の現場を圧迫していく。

時間の問題だった宣言移行

政府は1日、新型コロナ対策の改正特別措置法(2月成立)で新設された蔓延(まんえん)防止等重点措置を、5日から大阪、兵庫、宮城3府県に初めて適用することを決定。飲食店の営業時間は午後8時までに前倒しされ、協力金は事業規模に応じた仕組みに変更された。

3府県の重点措置がスタートした5日、菅義偉(すがよしひで)首相は参院決算委員会で、東京など首都圏の1都3県についても「人流が急増しており、感染の再拡大の懸念がある」と危機感をあらわにした。厚生労働省に助言する専門家会合も7日、関西を中心とした英国型変異株への置き換わりは、関東でも警戒が必要との意見が出た。

政府は9日、東京、京都、沖縄の3都府県にも12日から重点措置を適用すると決定。東京に関していえば、宣言も重点措置もない「日常」は、わずか21日間で終了した。

9日の国内の新規感染者は3511人。第4波の到来は明確になり、重点措置から宣言への移行は時間の問題だった。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は9日、衆院厚生労働委員会で「(東京の感染状況次第で)緊急事態宣言を考慮するのは当然」と発言した。

米国は経済再開へ動き活発

一方、ワクチン接種が進む米国では4月に入って、経済活動再開に向けた動きが活発化。米疾病対策センター(CDC)は2日、旅行に関する指針を改定し、ワクチン接種を終えた人は国内旅行の際に自主隔離や検査は不要だと発表。国内のワクチン供給に余裕が出てきたことを受け、ブリンケン米国務長官は5日、日本などと協力してワクチン生産・供給をめぐる外交を主導する意思を明らかにした。「ワクチン外交」を進める中国、ロシアへ対抗する姿勢を鮮明にした形だ。

もっとも、世界的にみると感染の再拡大は顕著となっている。世界保健機関(WHO)によると、18日までの1週間で過去最多の520万人超が感染した。

「高齢者 7月末に接種完了」

ここにきて、政府がコロナ対策の切り札としていたワクチン接種がようやく次の段階に入る。12日に、65歳以上の高齢者を対象とした接種を開始。医療従事者を除く一般の接種は初めてで、リスクの高い高齢者の感染抑制が期待された。

しかし、都市部を中心に感染拡大は止まらない。政府は23日、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に25日から3度目の緊急事態宣言を発令することを決定した。首相は23日の記者会見で、希望する全ての高齢者のワクチン接種を7月末で完了させると表明。後から見れば、7月末までに2回の接種を終えた高齢者の割合は75%を超え、首相の宣言はおおむね達成された形となった。

総力を挙げて感染拡大抑止に取り組む首相は大型連休を前にした30日、「不要不急の外出、行楽、帰省を控えていただきたい」と国民に呼びかける。だが、政府や首長の訴え、行政の注意喚起も、国民の心に響いたとはいえなかった。

コロナ禍と主な出来事を記録する連載「コロナ その時、」は、第4波に突入した今年4月から検証を再開する。

(33)2021年3月18日~ 広がる変異株「第4波」の足音

(35)2021年5月1日~ 大規模接種が開始、予約殺到

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