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中印、石炭「廃止」に反発 COP26、先進国と溝

【グラスゴー(英北部)=板東和正】国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の成果文書づくりでは、温室効果ガス削減の道筋や資金援助のあり方をめぐって先進国と新興国・途上国の溝が改めて浮き彫りになった。石炭火力発電に関する表現が「段階的な廃止」から「段階的な削減」へと弱められたのは、インドや中国が途上国の側に立ち、草案に反発したためだった。

波乱は13日夕、成果文書の採択直前に起きた。「途上国は貧困撲滅などに取り組まねばならないのに、なぜ石炭を段階的に廃止する約束ができるのか」。インドのヤダフ環境相がこう述べ、石炭火力の「段階的廃止」をうたっていた文書草案に疑問を突き付けた。

世界最大の温室効果ガス排出国であり、「途上国代表」を自任する中国もインドに同調したことで流れが変わった。COP26のシャルマ議長は急遽(きゅうきょ)、草案の修正を余儀なくされた。

会議の期間中、途上国からは、先進国が途上国などの気候変動対策に年間1000億ドル(約11兆円)を支出するとした目標が未達成であることへの不満が続出していた。中国は先進国による支援が不足していると訴えて途上国の支持を固めてきただけに、「(議長国の)英国は中国の発言を無視できなくなった」(英元下院議員)とみられる。

英国の温暖化問題専門家は「先進国と途上国の対立に中国がつけ込むいびつな構造が、今後の気候変動対策の足かせになる」と指摘している。

会議では、産業革命前からの世界の気温上昇を1・5度に抑えるとした「パリ協定」の努力目標が世界共通の目標に「格上げ」された。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などの報告を受け、熱波や豪雨、干魃(かんばつ)といった異常気象を抑えるには「1・5度目標」が欠かせないとの機運が高まっていた。

成果文書の採択を受け、シャルマ氏は1・5度目標の達成に「望みを残せた」と述べたが、道筋はまだ描き切れていない。目標達成には、排出量を30年までに10年比で45%削減する必要があるとされる。だが、国連の最新分析によれば、各国が掲げる削減目標では30年の排出量は10年比で13・7%増える見通しだ。

成果文書は30年の削減目標を22年末までに再検討するよう各国に求めたが、「必要に応じて」とのただし書きが付いている。


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