昨年デビューした千葉県産米「粒すけ」がユダヤ教の食事規定を満たすと認証され、イスラエル人観光客が多いアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに初輸出される。輸出するJAいちかわ(同県市川市)は17日、ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使を招いて記念式典を開催。ユダヤ教徒向けの認証米はJAとして初めてという。
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初輸出は新米2トンで、年度内に計4トンを輸出する。式典には地元選出の薗浦健太郎衆院議員(自民党)も出席。コーヘン大使は、「粒すけが初出荷される式典に立ち会えて大変光栄だ。イスラエル人は日本に非常に好感を持っており、日本食も大好き」などと笑顔を見せた。
イスラエルとUAEは昨年、米国のトランプ大統領(当時)の仲介で国交を樹立。中東有数の観光地であるドバイを訪れるイスラエル人観光客が急増し、高級レストランを中心に、すしなどの日本食の需要がさらに増しているという。
一方、イスラエル人の多くが信仰するユダヤ教には「コーシャ」と呼ばれる食事規定があり、輸出するに当たってはこれに基づく認証が必要だった。JAいちかわは今年10月にユダヤ教の聖職者であるラビを管内の精米所に招き、今月9日に認証を取得した。
農林水産省国際地域課の川上秀雄国際調整官は、「非常に画期的だ。ポテンシャルが高く、先駆的な事例として今後の動向を注視している」と話す。
市川、船橋、浦安各市などを所管するJAいちかわは、2013年に初めてドバイで梨を販売。現地で日本食材への人気が高い現状を知り、第2弾として粒すけの輸出に踏み切った。今野博之理事長は「中東で粒すけが大活躍してくれると思う。これからが非常に楽しみ」と期待感を示した上で「次は梨の加工品を輸出したい」と意気込んだ。