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アフターコロナ時代の「成功のカギ」 いま、リスキリングが注目を集める理由

ビジネススキルを学ぶ「reskilling(リスキリング)」が注目されている。

リスキリングとは、単なる学び直しではなく「新しい職業に就くため、仕事の大きな変化に適応するために、必要なスキルを学んでいくこと」を指す。

海外では、AT&T、Amazon、マイクロソフトなどの先進企業が実践しており、国内でも日立製作所、富士通などが社員教育として導入。富士通ではオンラインで9000種類の教育コンテンツを配信するなどリスキングに注力している。さらに経済産業省も推進しており、近年注目を集めている。

リスキングは、アフターコロナ時代の「成功のカギ」と言われており、取り組むビジネスパーソンが急増している状態だ。

実際にリスキリングを行っている方に取材をしてみた。

逢澤奈菜さん(27)は、2人のお子さんを育てる主婦。以前は不動産会社で営業事務を行っていたが、第2子の出産を機に退職し、現在、フリーランスのWEBデザイナーとして活躍している。

「自宅で仕事ができ、キャリアアップにもつながるため、プログラミングを学ぼうと考えました。オンラインで週に1、2度、WEBサービスを構築する言語を学んでいます。学生時代の授業は受け身でしたが、いまはやりたいことを学んでいるので楽しいです」

逢澤さんは身につけたスキルを活かし、育児に励むお母さん向けのサービスを開発。外出先で親子が楽しめる場所を簡単に検索できるアプリを年内にリリースする予定だ。

■「社会人の学び直し」増加

彼女がプログラミングを学んだのが、MENTA(メンタ)というサービスである。

MENTAは、何かを学びたい人と、教えたい専門家をマッチングするサービスである。2018年にスタートし、コロナ禍で飛躍的に成長しているところだ。

MENTA株式会社 代表取締役社長の入江慎吾さんに現状を聞いてみた。

「新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増え、新しいスキルを身につける『社会人の学び直し』が増加しています。MENTAは3年前に始まりましたが、登録者は4万人を超す勢いですし、メンターと呼ばれる指導者も3000人を数えるほどです。コロナの先行きが不透明な現在、仕事の将来性に不安を覚え、今までとは違うスキルが必要だと考える方が増えたと実感しています」(入江代表、以下同)

社会のDX化が進み、IT系の人材は今後ますます必要性が高まると予想されている。MENTAでもユーザーの8割が、プログラマーやWEBデザイナー、システムエンジニアなどの技術職を目指している。スキルを身につけるには、専門のスクールへ通った方が早いと思うが、なぜマッチングサービスが選ぶのだろうか?

「私は以前WEB制作会社に勤務していました。独学でプログラミングを学んだのですが、なかなかうまくいかない。そこで先輩からていねいに教えてもらい、習得できたのです。この体験をもとに、学びたい人と教えたい人を繋げば、新たなサービスになる、と考えたのです」

レッスン料は内容により様々だが、一般のスクールに比べてかなり格安になっている。必要な箇所だけを習うこともできるため、仕事をしながらでも学びやすい。そのため、登録者が増えているのだ。

■浸透しつつあるリスキリング

リスキリングによって、転職に成功した方は多い。

繊維会社で営業マンとして働く木村直紀さん(29)は、昨年12月からMENTAで学んでいる。

「元々、ものづくりをしたいと思っていました。エンジニアが集まる勉強会に参加して、自分なりに勉強していたところ、メンバーからMENTAを教えてもらい、登録しました。プログラミングとシステムのインフラ構築を学んでいます。プログラミングはPHPという言語を基礎からていねいに教えてもらいました。メンターさんが出す課題にこなしていくうちに、少しずつ身についたと思います」(木村さん)

習得したスキルが評価され、IT企業へエンジニアとしての転職に成功した。

新卒で内定をもらった大学生もいる。

大学4年生の足立奈菜さんは、WEBシステムを開発するエンジニアとしてIT企業からの内定を獲得した。

「最初は観光業や航空業界を志望していましたが、コロナで求人が激減してしまい、進路を変えざるを得ませんでした。これからはIT系のスキルが重要だと考え、MENTAに登録したのです。当初はスクールに通おうと思っていましたが、レッスン料が格安で、自分の希望に合わせて学べるのでMENTAを選びました」(足立さん)

今年2月から、Java、Rubyといったプログラミング言語を学んでいった足立さん。

「日本では女性エンジニアはまだ少ないですが、私たちが活躍することで、志望する女性が増えることを願っています」(足立さん)

2020年開催されたダボス会議(世界経済会議)では「2030年までに世界で10億人がリスキリングするだろう」と発表された。さらに経団連も昨年発表した「新成長戦略」の中で、リスキリングの必要性について言及している。

「日本の企業にもリスキリングが浸透しつつあり、学びの時間を確保する企業が増えています。コロナウイルスの影響で社会のデジタル化が一気に加速しました。まさに大きな変革期です。リスキリングで新たなスキルをつけるのはもちろんですが、それだけでは安心できません。継続的に学んでいくことで、変化に対応できる人材になれると考えています」(入江代表)

新型コロナウイルスの流行によって働き方が大きく変わった。従来の働き方では対応できないケースが増え、これまでの常識が通用しなくなっている。いま仕事に不安を抱えている方は、リスキリングが解決の一助になるかもしれない。(吉田由紀子/5時から作家塾(R))

5時から作家塾(R)、過去のアーカイブはこちら




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