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岸田政権のポテンシャルに期待 時間をかけて“本気”の経済政策を

多くの人の予想を裏切って(?)岸田文雄氏が自民党総裁に就任、その後の総選挙も終え、いよいよ岸田首相の政権運営が本格化する。総理就任直後の内閣の支持率は、50%前後と低調だった。だが、私はそれを「良い兆候」だと考えている。

首相が掲げるスローガンはどうでもいい。私は岸田政権の経済政策に期待している(Getty Images)※画像はイメージです
首相が掲げるスローガンはどうでもいい。私は岸田政権の経済政策に期待している(Getty Images)※画像はイメージです

「改憲=平和憲法の放棄」ではない

就任直後は妙なイメージ戦略の効果で高い支持率を獲得しながら、その後、つるべ落としのように評価を下げた菅義偉政権のようになるより、最初から低ければ下がりようがないのでいい―。まあ、それはかなり穿った見方だが、イメージ先行で支持率を獲得する必要はなく、「あまり期待していないけど」で始まっても、結果を出して着々と支持率を上げていけばいい。それが、岸田スタイルではないかと考えたからだ。

既にその片鱗は、先の総選挙でも見られた。

自民党が大敗するのでは?という多くの予想に反して、絶対安定多数の獲得までできた。一方、「政権交代を目指す」と豪語した野党連合は、「敗北」してしまった。

結果的に、「自民党が一番ましだった」から、議席も微減で終わったという印象はある。だが、その「一番まし」を、「思ったよりまし」に変えられるポテンシャルを、岸田政権は有している気がする。

主張や政策がコロコロ変わるし、改憲なんて興味がないように見えたのに、本稿を執筆している時点では、憲法改正の実現に急に前のめりな姿勢を示したらしい。「言葉」よりも「行動」を重視し、結果に繋げようという姿勢の表れと見える。

一部の国民は、「改憲」と聞けば、すぐに「平和憲法を守れ!」と声を上げる。だが、既に制定から75年も経つ憲法には、時代にそぐわないもの、もっと踏み込んだ内容が必要なものがあるのも、事実だ。

実際、「9条」の問題にしても、現状では、「拡大解釈」の連続で、憲法のあるべき姿としては既に限界を超えている。つまり、改憲イコール平和憲法の放棄ではない。真正面から向き合って議論すればいいだけのことで、タブーにする方がどうかしている。

それはともかく、私は岸田政権の経済政策に期待している。首相が掲げるスローガンはどうでもいい。それよりも、政府介入などをしなくても良いように、日本経済が健全性を取り戻すための後押し、さらには財界を上手に巻き込んで、攻めの経営を活性化させる政策を、「行動」で示して欲しいのだ。

困難に立ち向かう「行動力」を

岸田首相の派閥「宏池会」は、創設者の池田勇人以来、一貫して経済政策を最重要課題に据えて、「日本経済を元気にする」政策を重視してきた。その継承者として、じっくりと腰を据え、人気取りではなく将来を見据えた政策を我慢強く行えるか。それが、よく分からないスローガンや「言葉」ばかりが一人歩きしてきた政策に疲れ果てた日本社会に、光を与えてくれることにもなる。

霞が関の官僚を上手に使いこなし、懸案事項に目を背けず解決に向けて歩み出して欲しい。

何より期待したいのは、総選挙でも多くの有権者が期待したのに各党の公約(マニフェスト)ではまともに扱われなかった国家財政の再建だ。

前幹事長に闘いを挑んだように、困難に立ち向かう行動力こそが、岸田政権の魅力だと言われるようになれば、支持率に一喜一憂する必要もなくなるはずだ。

【真山仁の穿った眼】はこれまで小説を通じて社会への提言を続けてきた真山仁さんが軽快な筆致でつづるコラムです。毎回さまざまな問題に斬り込み、今を生き抜くヒントを紹介します。アーカイブはこちらから


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