新型コロナウイルスの陽性者数が減っていることから、「GO TOトラベル」の再開が検討されるなど、旅行への関心は高まっています。「次の訪問先」について、検討されているご家庭も多いでしょう。
ところで、月収の中からねん出するショートトリップもありますが、一般的に旅行費は「特別支出」に当たるお金です。特別支出は、毎月ではないけれど、年のどこかで発生するお金のこと。コロナ禍で、特別支出が抑えられているご家庭も多かったはずですが、この先、海外旅行などを計画されているご家庭では、旅行費用は特別支出としてきちんと準備したいものです。
旅行費用を計画的に準備できる手段のひとつとして、旅行積立を利用する方法もあります。そこで今回は、旅行積立の仕組みと利用法についてご紹介します。
旅行のために、預貯金とは切り離して確実に貯められる
旅行積立は、将来の旅行費用をコツコツと準備できる制度で、大手旅行会社や航空会社が扱っています。毎月、あるいは一時払いで資金を払い込むと、満期時に利息に当たるサービス額が上乗せされた旅行券を受け取れます。
旅行積立は、サービス額が預貯金に比べて高めに設定されているのが魅力です。また、旅行という目的に向けて通常の預貯金とは切り分けた状態で貯めていくので、「旅行費用が貯められず、旅行に行くのをあきらめた」ということも防げます。
3社の旅行積立の仕組み
サービス額が有利だったりするいっぽうで、旅行券が使えるシーンは限られていたり、有効期限が設けられていたりします。そこでここからは、ANA、JAL、JTBの3社の旅行積立を取り上げて、具体的な仕組みをご紹介していきます。
ANAとJALの旅行積立
→6カ月後に満期旅行券を受け取る「一時払い」コースがお得
まずは「ANAとJALの旅行積立」からご説明します。
ANAの旅行積立は、毎月払いコースと一時払いコースの2タイプがあります。毎月払いは、表のように12カ月から60カ月までの9つの期間から、積立期間を選んで積み立てます。一時払いコースは、6カ月から60カ月までの10の期間から据え置き期間を選んで、資金を払い込みます。ANAの旅行積立で一番利率が高いのは、一時払いをして、6カ月据え置くコースで、利率は約5%(年利換算約2.5%)になっています。ただし、一時払いで6か月据え置くコースは、ANAマイレージクラブ会員専用のコースになっています。
次は、JALの旅行積立について。毎月払いは12カ月から60カ月までの9コースの中から積立期間を選んで積み立てます。一時払いは6カ月から60カ月の10の期間から、据え置き期間を選んで資金を払い込みます。JALの旅行積立では、一時払いをして6カ月据え置くコースの利率が一番高く、約6%になっています。
▼クレジットカード払いOKでマイルも貯まる
ANAの旅行積立はANAカード、JALの旅行積立はJALカードでの支払いが可能です。旅行積立の支払額にも、カードのポイントが付与されます。
また、ボーナス時期などに不定期におこなわれることもあるキャンペーンのときや、満期を迎えた後に再度、旅行積立を申し込むと、10万円につき1000円のような、上乗せした旅行券が受け取れるケースもあります。