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MaaSで不動産のイノベーション 三井不動産が“動く商業施設”を本格始動

「ららぽーと」などの複合型ショッピングモールを手掛ける三井不動産が、消費者に新たなショッピング体験を提供するための新事業「MIKKE!」(ミッケ)を東京の湾岸地区を中心に本格稼働する。トラック型の移動店舗車両を複数の出店企業でシェアし、住宅地やオフィス付近など消費者の近くまで出向いて商品販売などを行う仕組みで、買い手は生活圏に店舗がない「レアな」企業の商品やサービスを実際に試すことができる。商業施設ともインターネット通販などのEC(電子商取引)とも異なる新たな購買・サービスとの出会いを演出し、地域の魅力向上にもつなげる考えだ。

三井不動産が手掛ける“動く商業施設”「MIKKE!」の出店の様子(三井不動産提供)
三井不動産が手掛ける“動く商業施設”「MIKKE!」の出店の様子(三井不動産提供)

実店舗とネット通販の良いとこどり

「新型コロナウイルス禍の影響で消費者が商業施設から遠のき、インターネット通販中心へと消費行動が様変わりするなかで“発見型”の買い物ができる機会が減っている」。三井不動産の新規事業開発を担う子会社ShareTomorrow(東京都中央区)のミッケ事業本部営業部長、後藤遼一さん(32)はショッピングをめぐる環境の変化をこう分析する。

日常的な買い物が大型のショッピングモールに集約され、そこで手に入らない商品はインターネット通販で購入するという二極化は新型コロナ禍前からの大きな潮流でもあった。ただ、消費者の間では「インターネット通販は商品に触れて品定めできない」といった悩みも根強く、「ならば商店が消費者の近くに移動して店舗を展開すれば良いのでは」というアイデアにつながった。

三井不動産は新事業を「シェアリング商業プラットフォーム事業」と位置づけ、何かを見つけたときに発する「見っけ!」という親しみやすい言葉を連想させる名称で、“新しい出会いのある買い物ができる場所”というコンセプトを表現した。

新事業のポイントは、「ロケーション・車両・顧客情報」の3つをシェアする点にある。三井不動産とグループ会社が保有するオフィスやマンションなどの周辺地域という消費者が集まりやすい場所に出店できれば企業は売り上げを伸ばしやすい。また、三井不動産が開発・購入した販売用車両をシェアすることで、初期投資を低く押さえることができるメリットも生じる。さらに売上実績と連携した顧客情報を蓄積し、共有することで、場所や曜日、時間帯に応じた顧客のタイプを明確にし、出店場所と出店企業をマッチングすることが可能だ。

12月以降は16店舗が日々入れ替わりで出店する。ラインナップにはジーンズの大手ブランドや話題の高級食パンを扱う有名店も名を連ねるが、大半は聞き馴染みのない企業だ。これらの店舗の多くは三井不動産の営業担当者が「生活圏にない希少性の高いお店」として独自に開拓・発掘したものだという。2022年春までに60店舗以上の稼働を計画しており、出店場所も豊洲エリアを中心とする現在の20区画から60区画に順次拡大する予定だという。

ユーザーからは「インターネット通販はよく使うが、実際に商品に触れたりリアルに確認できることで納得感のある買い物ができる」といった声や、「子供がいるので自分の買い物時間をゆっくり取れない中、マンションの足元まで来てもらえて気軽に見れるのは楽&時短で助かる」とった反応が寄せられている。一方、出店企業も「お客様の元を訪れる形態は初めてだったが、想定以上の集客があり嬉しい誤算だった。新しいエリア開拓として期待できる」といった手応えを感じているようだ。

後藤さんは「業種業態問わずバリエーション豊かな事業者様に出店してもらえることで、お客様の多様化するニーズをリアルに捉えることが出来ている。さらに幅広くジャンルを広げ、出店場所と共に事業規模を拡張していきたい」と意欲を示している。


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