内閣府は30日、平成30年11月から続いた景気後退局面が、令和2年5月までの1年7カ月に及んだと認定した。2年5月は新型コロナウイルス感染「第1波」の影響で初の緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請などの感染拡大防止措置が個人消費や企業の生産活動などに急ブレーキをかけた時期。2年5月を景気後退期の底にあたる「谷」として、その後は景気拡大期に入ったとの見方を示した。
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有識者で構成する「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋立正大学長)が同日の会合で取りまとめた。記者会見した吉川氏は今回の景気後退局面について「『谷』に落ち込む途中で、コロナ禍が追い打ちをかけ、輸出以上に個人消費が落ち込んだ」と評価した。
2年5月は、生産や消費、雇用などさまざまな統計の数値が軒並み過去最大規模で落ち込んでいた。景気の現状を表す一致指数(平成27年=100)は73・5で、リーマン・ショック後で大きく落ち込んだ21年3月の71・7とほぼ同水準だった。
昨年7月の研究会では景気拡大の頂点である「山」を暫定的に平成30年10月としており、今回「谷」も暫定的に設定したことで戦後16回目の景気循環は過去最長の90カ月と判定された。(永田岳彦)