太平洋クロマグロの資源管理と2022(令和4)年の漁獲枠方針を話し合う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の年次会合が1日、始まった。資源管理が厳格化されて以降、初の漁獲枠増枠が日本などの漁獲国に認められるかが焦点となっているが、予断は許さない状況だ。
年次会合は1~7日、オンライン会議形式で行われ、日本のほか、台湾や韓国、米国や豪州、フランスやフィジーなど26カ国・地域が参加。中西部太平洋を回遊するクロマグロ、メバチやカツオなどの魚類を持続的に資源利用できるよう、漁業管理の在り方について話し合う。
太平洋クロマグロについては、日本など漁獲枠を持つ国に対して、大型魚(30キロ以上)で現在の割り当てから15%増、小型魚(30キロ未満)は現状維持とする管理措置が提案されており、この可否を審議する。決定は全会一致による合意が必要で、正式決定に至れば、日本の大型魚の漁獲枠は4882トンから732トン増えて5614トンとなる。
太平洋クロマグロの漁を行う主な国・地域は日本、台湾や韓国などで、最大消費国は日本だ。資源量が乱獲などで激減したことから、WCPFCは漁獲規制を導入。このため、日本も平成27年以降は厳格な漁獲制限を設けている。
増枠については、今年7月開催のWCPFC北小委員会と全米熱帯まぐろ類委員会の合同作業部会で、科学的見地から検討が行われた。日本は資源回復を理由に、4年連続での増枠提案を行った結果、大型魚の増枠が決まった。
10月のWCPFC北小委員会には米国や韓国など10カ国・地域が参加。増枠について議論がなされ、全会一致で合意が維持された。