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子供の人生を左右 10代からの金融教育のススメ

「お金を増やすのは難しい時代です」。11月19日、松山市中心部にある通信制高校「未来高校」で開かれた金融経済教育セミナー。金融機関から派遣された講師の解説に生徒たちは真剣な表情で聞き入っていた。高校の学習指導要領の改訂で、来年4月から家庭科で資産形成について指導することが盛り込まれており、今後、10代向けの金融教育も広まりそうだ。

投資の効果について説明する「ひめぎん情報センター」の岩本八重さん
投資の効果について説明する「ひめぎん情報センター」の岩本八重さん

セミナーは平成23年からCSR活動、SDGs達成への取り組みとして全国で金融経済教育を行っているSMBCコンシューマーファイナンス(東京)が、地元の愛媛銀行に合同開催を呼び掛けて実施した。

未来高校は学校法人河原学園が経営。松山本校と新居浜校のほか、スクーリング会場を各地に展開しており、週5日通う平日コースをはじめ週2日コースなど自由度の高い4コースを設定している。

生徒数は本校382人、全国では2130人(11月1日現在)。約3分の1が中学校からの進学者で、ほかは他校からの転入生だという。

セミナーは本校で学ぶ1年生が対象。講師は愛媛銀行の「ひめぎん情報センター」研究員、岩本八重さんと、SMBCコンシューマーファイナンスの佐々木健至さんが担当した。

佐々木さんは家計管理の観点から解説。生徒たちは手取り収入、住宅費と水道光熱費、通信費、食費などを想定して資金計画を立てたり、ライフイベント表を用いて「運転免許証を取得する」「車を購入する」「ひとり暮らし」「結婚する」-など、将来どのような人生を送るかを書き出したりした。

「赤字になる人が多いです。赤字を改善するのが大切で、支出の中で使いすぎのもの、抑えられるものを考えよう。預貯金だけではちょっと大変だなというとき、お金がお金を生む方法もあります」と説明。

貯金の心構えを「目的をはっきりとしたうえで、毎月同額をためることを身につけてほしい」と語った岩本さん。金利と物価の変動についても説明し、「預金金利は低下し、物価は上昇している。お金を増やすのが難しい時代です」と話した。

金融商品の選び方では、毎月の生活費や入院など何か起きたときに対応するための「使うお金」▽5~10年後などに必要になることが見えている「守るお金」▽10年以上使う予定がなく、多少増減しても困らない「増やすお金」-があるとして、「増やすお金を資産運用に充てるようにしましょう」とアドバイス。そのうえで、債券、株式、投資信託についてメリットとデメリットを説明した。

岩本さんは「お金を借りるときは、自分に返せる能力があるかしっかり考えること。借金が増えると多重債務に陥ったり、自己破産になることもあります」と資産管理の大切さを語りかけた。

生徒たちも真剣な表情で受講しており、お金の話を通じて自分のライフプランについても思いをめぐらせた様子だった。

1年生の墨田郁生(ゆうせい)さん(15)は「自分が思っているより家計は大変だなと思った。動物が好きなので、動物とかかわるような仕事ができたらいいと思う」と話した。石橋萌花さん(16)は「将来は声優になりたい。人の役に立てるような仕事をしてみたい」と話していた。

野村和弘校長は「生徒は自己実現を達成してほしい。社会の一員として納税者となるのだから、私たちは大事な役割を担っている」と語っていた。(村上栄一)


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