日銀の鈴木人司審議委員は2日、日本経済に関し、変異株流行で新型コロナウイルス感染症への警戒感が根強く残れば、「消費を中心に経済が下振れする」との見方を示した。神戸市で開いた地元経済関係者らとの意見交換会で講演した。世界的な半導体不足や物流の停滞、部品調達難の影響の拡大や長期化もリスクと指摘した。
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国内の物価上昇の鈍さは「過去の経験から、物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が企業や家計に定着している」と説明。将来の増税や年金減額の不安に加え、賃金上昇の期待も高まっておらず「家計の消費意欲や値上げへの許容度が高まっていかない」と分析した。
大規模な金融緩和政策は8年以上続けているものの、日銀が目指す2%の物価上昇目標の達成は遠い。このため、大規模緩和は「さらなる長期化が避けられない情勢だ」と述べた。