--新型コロナウイルス禍での法人顧客の変化は
「後継者がいない問題に加え、コロナの影響で先行きが見通せず廃業の動きが出ている。事業承継の一環としてM&A(企業の合併・買収)を選択するケースが増えてきた。これらのニーズを支える専門人材の全国配置を進め、今年度中に500人規模へ拡大する」
--企業マッチングの重要性も高まっている
「どの業界も新たな事業創造、ビジネスモデルの模索が不可欠となった。SDGs(持続可能な開発目標)などへの対応も重なり、1社単独での対応は難しくなっている。同業、異業を含めたコラボレーションは産業創出の原動力。どう役に立てるかが、われわれの存在意義だ」
--スタートアップ企業の支援拠点「MUIC Kansai(ミューイックカンサイ)」の状況は
「来年3月までにリモート観光の分野で社会実装の第1弾として事業化できるよう動いている。2025(令和7)年大阪・関西万博をターゲットに20以上のイノベーションを社会実装していきたい」
--スタートアップ支援の課題は
「エコシステム分野でアカデミア(大学や研究機関)の技術を紹介する機会が限られている。銀行から100人強を支援先に送り、立ち上げに寄与していく。ノウハウや起業マインドを目の当たりにして(自分のものにし)銀行に戻ってからも活躍してもらいたい」
【プロフィル】たにぐち・むねや 慶大経卒。昭和60年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。執行役員京都支社長、常務執行役員大阪営業本部長、専務執行役員西日本駐在などを経て令和3年4月から現職。神奈川県出身。