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オミクロン株「深刻な脅威」 WHO特使が強調

【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス特使を務めるパリサ・アベイクーン氏が4日までに、産経新聞のオンライン取材に応じた。同氏は新型コロナの新変異株「オミクロン株」について従来の変異株より感染力が高く、ワクチンの有効性に影響する可能性があるとし「深刻な脅威として扱わなければならない」と強調した。ワクチン接種率が低い国で変異株が発生しやすい傾向があることから「先進国は3回目接種を加速するのでなく、まず世界にワクチンを行き渡らせることが変異株の拡大を防ぐ賢明な方法だ」と訴えた。

パリサ・アベイクーン 世界保健機関(WHO)新型コロナウイルス特使
パリサ・アベイクーン 世界保健機関(WHO)新型コロナウイルス特使

アベイクーン氏は、オミクロン株の感染力の強さやワクチンの有効性などについて「最終的に判断する決定的証拠を得るにはまだ時間がかかる」と述べた。

その上で、「オミクロン株はデルタ株より多くの変異があり、理論的には感染力が増している恐れがある」と分析。「予防接種などの安全策から逃れて(発症に至る)可能性が高くなっている」とした。WHOなどによると、3日時点で30カ国以上でオミクロン株が報告されたが「遅かれ速かれ、大半の国で感染が確認される」と予想した。

重症化に至るかについては「オミクロン株は(現段階で)深刻な症状や死を引き起こしていないようだが、今後、感染者が増えればワクチンを接種していない人や免疫力がない人の間で(状況が)変化する可能性がある」と危機感を示した。感染の急拡大により「特に貧しい国の医療システムが崩壊する恐れもある」と懸念した。

「オミクロン株がデルタ株より感染力が低いなどと判明する証拠がでない限り、深刻な脅威として扱わなければならない」と強調し、オミクロン株は人類がパンデミック(世界的大流行)から抜け出せるかどうかの「重大な試練になりうる」との見解を示した。

また、米製薬大手ファイザーなどがワクチンに用いるメッセンジャーRNA(mRNA)という遺伝物質を活用すれば「異なる(特性を持つ)ワクチンを迅速に作れる」と指摘。数カ月程度でオミクロン株に対応するワクチンの開発が可能との考えを示した。

一方、ワクチン接種率の低い地域では「変異株が発生する可能性は高い」と指摘。アフリカでは「国民に十分なワクチンが提供されていないため、オミクロン株が発生したのかもしれない」と推測した。

先進国が進める3回目接種について「実施を決めるのは各国の権利」とした上で「(変異株の拡大を止めるためには)あまり賢明な判断とはいえない」とし、まず、2回の接種を完了していない途上国などの人々の接種を完了すべきと訴えた。

他方、世界各国が相次ぎ南アなどからの渡航者の受け入れを制限している状況をめぐり、WHOに感染を報告した南アフリカなどに「ペナルティーを科すべきではない」と批判した。各国が感染が判明した国からの渡航を制限すれば「ウイルスが発生しても各国が報告できなくなるようになる恐れがある」と危惧した。

日本が導入した外国人の新規入国を原則停止する措置については「オミクロン株の情報が十分にないために(外国人の入国を)通常以上に注意していることは理解できる」と発言。「多くの(オミクロン株の)科学的な証拠が出てくれば、日本はより合理的で効果的な方法をとれるだろう」と期待を示した。


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