千葉県船橋市の梨農家が柏市の酒類卸会社と協力して、廃棄される梨を使った「梨シードル(発泡性果実酒)」を完成させた。12月から船橋市のふるさと納税返礼品に登録されている。
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実が軟らかく透明になって、出荷できなくなる「蜜(みつ)症」の梨の利用法として、船橋市二和東の果樹農園「芳蔵園」の代表、加納慶太さん(28)らが開発に取り組んだ。
芳蔵園では毎年1トン以上の梨を廃棄。このフードロス対策を模索する加納さんは、梨のドライフルーツ化を昨年、成功させた。また、趣味のフットサル仲間の酒類卸売会社「アデカ」社長、西田隆信さん(57)の提案を受け、新たに梨シードル作りに取り組んだ。
リンゴから作られることが多いシードルだが、さわやかな酸味を残した梨らしい味を目指した。7軒の農家から集めた船橋特産の豊水梨を使い、廃校施設を活用したリンゴのシードル作りで知られる林檎(りんご)学校醸造所(長野県飯綱町)が生産。蜜症の梨は果汁が多く果樹酒作りに向いていて、搾りかすは飼料に使うことで廃棄ゼロを実現できたという。
1本750ミリリットルでアルコール度数は6%。寄付金額3万3千円のふるさと納税で甘口と辛口の2本セットを返礼品として受け取れる。