<独自>国産スピリッツの着色規制廃止へ 沖縄の酒税軽減も

    令和4年度税制改正で、政府・与党がジンやウオッカといった国産スピリッツの「色」の濃さを制限する規制を撤廃する方針を固めたことが6日、分かった。製品の多様化を後押しすることで輸出拡大に弾みをつける。10日にもまとめる与党税制改正大綱では沖縄県産の泡盛やビールに適用された軽減措置の廃止も決まる見通しだ。

    酒税法では蒸留酒ごとの「着色度」が定められている。ジンやウオッカなどスピリッツは一般的なウイスキーの5分の1程度、焼酎は10分の1程度までの濃さしか認められず、違反すると出荷ができない。品目ごとに税率が違った時代の名残で、目視で種類を判断できるようにしたものだ。

    近年は、スピリッツの分野でも手作り感や高級感をアピールした「クラフトジン」が話題を集めるなど意欲的な生産者が増えたが、着色規制が差別化を難しくしているとの指摘もある。新型コロナウイルスの影響で酒類メーカーの業績が落ち込む中、「輸出拡大の後押しにもなる」(経済官庁幹部)として撤廃に踏み切る。ただ、焼酎の規制は業界内で維持を求める声があるため、当面残す方針だ。

    一方、沖縄県が本土に復帰した昭和47年から約半世紀続いてきた沖縄県産酒類の税負担軽減措置は、廃止する方向で調整する。泡盛は段階的に縮小し、令和14年5月に廃止。オリオンビールに代表されるビール類も、8年10月にビール系飲料の税額が全国的に統一されるのに合わせ撤廃する。

    現在、沖縄県内で出荷される県産酒類の酒税は県外に比べ泡盛は35%、ビール類は20%軽減される。沖縄の酒造経営の後押しや所得が低い県民の負担軽減を目的に導入された制度だが、来年5月に本土復帰50年を迎えることなどを勘案して廃止すべきだと判断した。


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