待機児童ワースト1位 住みたい街・西宮市のジレンマ

    一刻も早く待機児童を解消しようと、西宮市は保育所など3園の新設と国家戦略特区を活用した小規模保育所8園の開所で今年4月の定員を増加させ、待機児童は前年から163人減少した。来年に向けてさらに定員を増やす計画で、不足枠は20人弱になる見通しだ。調整次第では待機児童をゼロに近づけられる可能性もある。

    それでも楽観はしていない。担当者は「入所の申し込みは年々増えており、来年度だけゼロにできても安心できない。保育ニーズが伸びる限り、保育所の整備を続けないと追いつかない」と話した。

    今後もニーズ「増え続ける」

    そもそも昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大によって保育ニーズが低下していることもあり、今年4月の待機児童は全国的に調査開始以降最少となっている。姫路市では入所の申し込みが前年を下回ったが、同市の担当者は「コロナ禍による影響だとすれば、一時的なものかもしれない」と指摘する。

    西宮市は全国の政令市や中核市に比べて保育所ではなく幼稚園に通う児童の割合が高いといい、保育ニーズはまだまだ伸びると考えている。厚労省の推計では、保育所を利用する児童の人数は令和7年にピークを迎えるとされるが、「保育ニーズが高まり始める時期が遅れていた西宮では、ピークは少し先になる可能性がある」(西宮市の担当者)。他の地域の状況を参考にしながら、必要とされる枠を供給できるよう努めたいとしている。(福井亜加梨)


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