ワクチン接種後の感染にも警戒を 東京都モニタリング会議

    新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議が9日開かれ、感染者数は横ばいで推移しているため、感染状況と医療提供体制はともに4段階の警戒度で最も低いレベルに据え置かれた。一方、都の調査でワクチン接種後の感染者の割合が増加していることも明らかになった。専門家は「ワクチン接種から時間がたち、抗体量が減少した可能性がある」と指摘する。

    東京都庁舎
    東京都庁舎

    10月の新規感染者(12歳以上)のうち、ワクチンの2回接種を終えた人は427人。これに対し未接種者は896人だった。同様に、6月48人-1万1157人▽7月770人-3万9193人▽8月5740人-9万4647人▽9月2764人-1万7081人だった。全体の感染者数は減少しているが、ワクチン接種者の占める割合はじわじわと増加している。

    東京iCDC(東京感染症対策センター)専門家ボード座長の賀来満夫・東北医科薬科大特任教授は「ワクチンは重症化や感染を予防する効果は高いが、7カ月程度経過すると抗体量が低下する可能性がある。ワクチンを打っていても注意が必要だ」と述べた。ただ、ワクチン接種後の感染では発熱や倦怠感(けんたいかん)が現れないなど、症状は比較的軽い傾向も見られるという。

    一方、小池百合子知事はこの日の会議で、岸田文雄首相の要請を受け、政府の検疫施設として都が確保した宿泊療養施設のうち2千室を提供すると発表した。政府は新たな変異株「オミクロン株」が確認された南アフリカなどからの入国者に3~10日の待機を求めている。都が提供した部屋は、こうした帰国者らの滞在用に使われるという。


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