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働き方改革を阻む年末調整 廃止して「全員確定申告」にするとどうなる?

年末調整の問題点

納税は国民の義務ですが、申告納税制度が前提であることを考えると、年末調整は納税に関して学ぶ機会を奪っていると考えることもできます。一般論として、日本人は納税意識が薄く、国の税金の使途について寛容だと言われてきました。

しかし、コロナ禍にあって税収の確保が難しい局面が出てくるでしょう。予算、補正予算額が膨大になり歳入と歳出のバランスが大きく崩れている今、国民は税金の使途に厳しい目を向けて始めています。

日本人は金融リテラシーが低いと言われていますが、金融リテラシー云々ではなく、税金に関する知識を得て、適正な納税と適切な予算執行の監視ができるようになるべきです。でなければ、いつまで立っても税金を納税するばかり。所得税、相続税、消費税の増税に対し、資金使途の理解が追いつくことはありません。

すでに、確定申告の電子申告が実現しています。企業が負担している年末調整事務を国民一人ひとりに戻すことができれば年末調整に関する作業時間が大幅に削減できるでしょう。例えば、労働力人口が7000万人として、一人あたり60分の年末調整に関する作業時間が必要とすると、7000万時間が年末調整によって生み出される労働時間となります。この時間に時給をかければ、年末調整に割り当てられる給与支払額が算出されます。時給1000円だとしても、7,000,000万円(700億円)の負担を源泉徴収義務者である、企業が負担していることになります。

企業は従業員の年末調整申告に対し調査する権限がなく、申告のまま手続きを行う必要がある一方で、適正に源泉徴収する責任を問われています。外国人労働者に関しては、国外の扶養親族判定など、難しい問題も増えてきていると言います。

家族に関する情報を企業に提出することに嫌悪感や違和感を感じている人もいます。筆者が以前、年末調整に関する業務に従事していときには、家族の収入などの確認があり「そんなことまで」と言われた記憶があります。つまり、従業員のプライバシーが守られていないのです。表面上は守っている様に見えても、情報を出す側の従業員の気分はよくありません。担当者が退職してしまえば、どこまで情報を守ってくれるのかは、その人次第です。マイナンバーさえも知られてしまいますから、今後は年末調整の是非が問われてしかるべきでしょう。

いつまでも企業に頼らずに、働き方改革納税面から考える時期なのかもしれません。


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