言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表明した。
レッサ氏は、殺害された島国マルタの調査報道記者や投獄された香港紙創業者らの名を挙げ「多大な犠牲を払ってきた世界中の全ジャーナリストの代表」として授賞式に臨んだと強調した。
ロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」で編集長を務めるムラトフ氏は、強権的なプーチン大統領の下、国内では反政権派などへの「嘘の告発や政治的動機」に基づく恣意(しい)的な捜査や拷問が横行していると指摘した。(共同)