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ダイキン「水道発電」 全国拡大 全額負担で発電機設置 自治体に売電収入還元

水道管を流れる水を活用した「マイクロ水力発電」が全国に広がっている。メーカーのダイキン工業が導入費用を全額負担して発電機を設置し、売電収入の一部を自治体に還元する仕組みで、これまでに19道府県の46カ所で導入契約を結んだ。発電出力は小さいが、脱炭素社会実現に向け、身近な〝資源〟を使った再生可能エネルギーとして注目される。

大阪府東大阪市の水走配水場に設置されたダイキン工業の発電設備=11月
大阪府東大阪市の水走配水場に設置されたダイキン工業の発電設備=11月

大阪府東大阪市の水走配水場では、出力75キロワットのマイクロ水力発電が4月に稼働した。上流の浄水場からの落差で生まれる水流のエネルギーを利用して水車を回す。年間発電量は一般家庭164世帯分に当たる約490メガワット時。市側の導入負担はゼロで今後20年間、毎年約140万円が還元される想定だ。市の担当者は「環境に配慮した取り組みを官民連携で発信でき、市にも負担が掛からない」と喜ぶ。

発電機は、ダイキンがエアコン開発で培ってきた小型化や省エネ性能の高いモーター技術などを応用した。狭い場所に設置可能で、100キロワットを下回る発電量でも採算を確保できる。同社は平成26年から福島県相馬市や富山県南砺市で実証実験を始め、29年に子会社「DK―Power」を立ち上げて事業展開を本格化した。

発電設備の導入に3000万~数億円程度が必要だが、費用はダイキンが負担し、自治体側は水道施設を貸し出すだけ。自治体は売電収入に加え、設備の固定資産税も受け取れる利点がある。

導入契約を結んだ拠点のうち東大阪市を含む30カ所が既に稼働している。ダイキンは令和7年までに拠点数を100カ所以上に拡大する計画。水の落差が従来の半分以下でも効率よく発電する新設備を来年度にも実用化し、普及に弾みをつけたい考えだ。

ダイキンによると、全国に約2万7000カ所ある水道施設全てに設置した場合の総発電量は原発0.5基分に相当する。水力には、太陽光や風力よりも安定的な発電を見込める特長もある。DK―Powerの松浦哲哉社長は「後ろ向きな水道施設側をどう口説いていくかが課題だ。脱炭素の機運を追い風に導入を働き掛けたい」と強調した。


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