• 日経平均28030.65-218.59
  • ドル円134.92134.95

「最後の猟師たち」語り部に栃木の狩猟文化を執筆

栃木県内に今も残る貴重な狩猟文化を後世に伝えようと、宇都宮市出身のフリーライター、丸山美和さんが「下野猟師伝 聞き書き 猟師たちの物語」(随想舎、1980円)を出版した。厳しい自然の中、野生動物と対峙(たいじ)してきた「最後の猟師たち」を語り部に、狩猟の目的が生活から害獣駆除へと変わったことによる課題についても浮き彫りにする。丸山さんは「多様な生き方を求められる今こそ、若い人に読んでほしい」と話す。

栃木の狩猟文化を紹介する「下野猟師伝」を出版したフリーライターの丸山美和さん(石川忠彦撮影)
栃木の狩猟文化を紹介する「下野猟師伝」を出版したフリーライターの丸山美和さん(石川忠彦撮影)

猟師20人以上取材

同書は「くらしの中の狩猟」「狩猟に生きる」「被害と闘う」などの6章で構成。戦中戦後の古い時代を知る年配の猟師から、行政による鳥獣被害対策に協力する猟師まで、80代を中心とした16人が登場。時系列に沿って描かれる。

1章に登場する佐野市作原の須藤一さんは、昨年6月に84歳で亡くなる直前まで現役を貫いた「数少ないマタギ(職業としての猟師)の一人」(丸山さん)だ。大けがを負いながらシカやクマと対峙する、死と隣り合わせの猟に「獲ったものは最後まで食べること。それが供養」と猟師の心得を語る。

長年、地元紙の観光ガイド本や経済誌などの記事執筆と編集に携わってきた丸山さんが同書を手がけたのは、5年前に野生生物保護管理の専門家である夫から「狩猟者が高齢化している今、貴重な狩猟文化を記録に残したい」と取材依頼を受けたのがきっかけだ。

県猟友会の協力を得て、猟師20人以上を取材。自身の留学や新型コロナウイルス禍にも見舞われ、取材・執筆は思うように進まなかったが、取材した猟師の相次ぐ死にも直面したことで執筆に向けた思いを新たにし、脱稿した。

転換点は奨励金

猟師たちのそれぞれの生きざまがあぶりだすのは、狩猟をめぐる時代背景や社会環境の変遷だ。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)