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がん治療中も美しく 闘病の女性が「ケア帽子」開発

抗がん剤治療に伴う副作用の中で、女性にとって最も苦しいことは頭髪の脱毛だ。変わらない日常を過ごしながら治療を受けることができるようにという思いを込め、埼玉県狭山市の村田里依さん(51)がケア帽子を開発した。自らもがんと闘病中の村田さんは「同じ悩みを持つ人を一人でも多く癒やしたい」と話す。

がん治療を受ける女性のためのケア帽子を開発した村田里依さん(兼松康撮影)
がん治療を受ける女性のためのケア帽子を開発した村田里依さん(兼松康撮影)

村田さんは5月、インターネットで資金を募るクラウドファンディングによって帽子を販売する会社「タオコーポレーション」を設立し、ケア帽子の販売を始めた。

48グラムという軽さが特徴で、頭頂部を筒状に開口できる仕組みにして通気性を高めたほか、蒸気で縮む特殊な糸をかぶり口部分に編み込むことで帽子がずれないよう配慮した。着眼点やさまざまな工夫が評価され、村田さんは、埼玉県が主催する女性のビジネスプランコンテストで優秀賞を獲得した。

女性らしいワンポイントのクリスタルをあしらったタイプが9900円、かぶり口に巻けるスカーフ付きのものが1万1千円で、タオコーポレーションのウェブサイトで販売している。モニターからは「外出しやすくなった」「今までの帽子のどれより軽い」といった声が寄せられ、村田さんは「やってよかった」と手応えを明かす。

村田さんは平成25年12月に乳がんと分かり、抗がん剤治療を受けながら26年夏に手術を経験した。東京都内の大手証券会社に勤務していた村田さんは、ウィッグや帽子を使用して通勤していたが「周りの人の視線も気になるうえ、蒸れて長時間着用し続けるのも苦しかった」。

令和元年にリンパ節への転移が判明して「やり残したことがあるなら、今がやるときではないか」と思い立った。ケア帽子を作ろうと決意し、デザインを複数の帽子メーカーに提案した末、香川県観音寺市の「島田」とともに約1年半をかけて開発した。

村田さんは「男性や子供のがん患者用の帽子や、乳房を全摘出した女性のためのブラウスも手掛けたい」と今後の展望を語った。(兼松康)


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