ようやく稼働率回復したのに USJ公認ホテルで新たにオミクロン株懸念浮上

    新型コロナウイルス禍の影響を大きく受けたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)のオフィシャルホテルで客室稼働率の回復が進んでいる。今春閉館したホテルも23日、新しい運営会社のもとで新装、本格開業した。来年再開予定の政府の観光支援策「Go To トラベル」への期待もあるが、大阪府内では新たな変異株「オミクロン株」の市中感染が確認され、大きな不安要素となっている。

    感染対策のため従業員と接することなくチェックイン・アウトできる機器をそろえた=23日、大阪市此花区(田村慶子撮影)
    感染対策のため従業員と接することなくチェックイン・アウトできる機器をそろえた=23日、大阪市此花区(田村慶子撮影)

    この日、新装開業したのは「オリエンタルホテル ユニバーサル・シティ」。5月に閉館したホテル京阪系列のホテルを、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸市)などを展開するホテルマネージメントジャパン(東京都渋谷区)が運営することになり名称も変えた。

    感染対策のため従業員と接することなくチェックイン・アウトできる機器をそろえている。鮮やかな色使いが特色だった旧ホテルを、30代以上の女性らを狙って草木が装飾の落ち着いた雰囲気に刷新。森山真也総支配人は「仕事から逃れ、遊び疲れた心身を回復する空間にしたい」とし、USJのキャラクターを前面に出す他のオフィシャルホテルと差別化を図った。7月にプレオープンしながらロビーやレストラン、客室の改装を並行。来年も未着手部分の客室改装を進める。

    改装したホテルのロビー。大樹を表現した柱などで自然な雰囲気を演出した=23日、大阪市此花区(田村慶子撮影)
    改装したホテルのロビー。大樹を表現した柱などで自然な雰囲気を演出した=23日、大阪市此花区(田村慶子撮影)

    USJは今秋からコロナ禍で続けてきた1日当たりの入場者数の制限を緩和してきた。9月までは上限5千人だったのを10月からは1万人に緩和。「12月から収容人数100%まで広げ、客数も改善している」(広報担当者)という。オフィシャルホテルの客室稼働はUSJの営業次第といえるため、各ホテルの期待は高まっている。

    「年末年始は満室に近い」と明かすのは、一時は客室稼働率が1割を切るほど追い込まれた「リーベルホテル アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(大阪市此花区)の広報担当者。「ザ シンギュラリ ホテル & スカイスパ アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(同)も、12月の稼働率は85%を見込む。他にも9割近くに達したホテルがあり、新型コロナ前に近い水準まで持ち直してきた。

    ただ、府内でオミクロン株の市中感染を確認。USJも「今は落ち着いているが、再び警戒する状況になるかもしれない。感染対策を続けたい」とする。オリエンタルホテルの森山総支配人も「Go To トラベルで遠方からの集客も見込めると考えていただけに、オミクロン株が広がるのではと心配だ。来年のインバウンド(訪日客)復活を見込んでいたが、回復は1年先になるかもしれない」と警戒した。(田村慶子)


    Recommend

    Biz Plus

    Recommend

    求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

    求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)