英コロナ新規感染者数10万人超 英政府が自己隔離期間短縮

    【ロンドン=板東和正】英政府は22日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が前日から約1万5千人増加し、過去最多の10万6122人となったと発表した。新規感染者数が10万人を超えたのは初めて。また、英政府は同日、鉄道会社で運転士らの感染などによる自己隔離で運休が相次いでいる事態を受け、社会機能への悪影響を抑えるため南部イングランドで自己隔離期間を短縮する方針を表明した。

    英ロンドンの病院でのワクチン接種に並ぶ市民=13日(ゲッティ=共同)
    英ロンドンの病院でのワクチン接種に並ぶ市民=13日(ゲッティ=共同)

    英政府によると、新型コロナの1日当たりの新規感染者数は17日(9万3045人)から5日ぶりに過去最多を更新した。22日は、首都ロンドンを含むイングランドが新規感染者の90%を占めたという。

    感染力が強いとされる新型コロナの新変異株「オミクロン株」の感染拡大も目立ち、22日に確認された同株の新規感染者数は、全体の新規感染者の約1割の1万3581人。累計で7万4089人となった。

    英国では、鉄道会社の運転士らの感染で運休が相次いだり、従業員が感染した商業施設が営業を休止したりする動きが広がっている。病院職員や航空会社の関係者の欠勤も出ている。

    英政府は22日、イングランドで原則10日間の自己隔離を陽性者に義務づけてきた方針を変更。6日目以降に24時間の間隔を空けて簡易検査で2回陰性が出ることを条件に隔離を終了できると発表した。最短で7日目に隔離が終わる。ジャビド保健相は隔離期間の短縮により「人々の日常生活での混乱を最小限に抑えられる」と強調した。

    一方、ジョンソン首相は21日、オミクロン株への感染が重症化を招くかどうかなどに不明な点が多いとして「クリスマス前に行動規制を強化する予定はない」と発表した。

    オミクロン株をめぐっては、22日までにイングランドで死者数が18人、疑いのある症例を含め入院者数が195人確認されたものの、重症化率は低いとの指摘がある。同日の英国での1日当たりの新型コロナによる死者数は140人で、1月のピーク時の10%以下に抑えられている。


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