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「二年参り」を広めた鉄道の終夜運転 コロナ禍で2年ぶりの実施へ

終夜運転の歴史は想像以上に古かった

新型コロナウイルス禍で2回目の正月を迎える。2020年大みそかから2021年元日にかけての終夜運転は各社とも見送ったが、来年の正月は規模を縮小して2年ぶりに実施されることになった。

JR東日本は山手線が午前1時から5時まで約15分間隔で、京浜東北線が午前1時から4時まで約30~45分間隔、中央線は午前0時半から4時半まで約20~60分間隔で運行。その他、埼京線、高崎線、宇都宮線、総武線、成田線などでも終夜運転を実施する。一方、コロナ禍以前は実施していた常磐線、京葉線では行わず、また実施する路線でも運転本数は以前より減っている。

元日に新宿から片瀬江ノ島に向かう臨時特急「ニューイヤーエクスプレス号」などの臨時列車を運転する小田急電鉄(SankeiBiz編集部)
元日に新宿から片瀬江ノ島に向かう臨時特急「ニューイヤーエクスプレス号」などの臨時列車を運転する小田急電鉄(SankeiBiz編集部)

首都圏の大手私鉄では、沿線に成田山新勝寺と柴又帝釈天を擁する京成電鉄と、高尾山や深大寺などがある京王電鉄が実施。京成は京成上野~京成成田駅間を約20~50分間隔で、また押上から金町線に直通する列車を約20~40分間隔で運行する。京王電鉄は新宿~高尾山口駅間、新線新宿~笹塚駅間を概ね60分間隔で運行するほか、新宿駅発高尾山口行き「京王ライナー迎春号」を4本運行する。

東京メトロは銀座線浅草~上野駅間のみ終夜運転を実施。丸ノ内線は池袋~銀座駅間で2時間程度終電を繰り下げる。都営地下鉄は浅草線浅草橋~押上間のみ約30~40分間隔で終夜運転を実施。三田線と大江戸線は終電を繰り下げて概ね午前2時頃まで運行する。

その他の私鉄では、小田急電鉄が新宿から片瀬江ノ島に向かう臨時特急「ニューイヤーエクスプレス号」を運転するほか、町田駅午前4時30分発の片瀬江ノ島行き臨時列車を運行。東急電鉄は東横線、田園都市線で終電後に渋谷始発の臨時列車をそれぞれ1本運転する。東武鉄道、西武鉄道、京急電鉄、相模鉄道は終夜運転を行わない。

利用したことがある人もない人も、大みそかから元日にかけての終夜運転はあって当たり前という感覚だったはずだ。そんな終夜運転はいつ、どのようにして始まったのだろうか。

実は終夜運転の歴史は想像以上に古い。東京に路面電車が開業したのは1903年8月のことだが、それ以前はレール上に乗った客車を馬が牽(ひ)く馬車鉄道が運行されていた。この馬車鉄道で1903年元日に終夜運転を行ったという記録が残っており、大正中期には省線(後の国鉄・現JR)でも終夜運転が始まっている。

ただこの頃の終夜運転は初詣のためのものではなく、商家が「掛け売り」の代金を回収するためのものだったようだ。元日に鉄道で寺社(多くの場合は川崎大師)を参詣する風習は明治中頃には定着していたが、大みそかから日を跨いで参詣する「二年参り」のための終夜運転が始まったのは昭和初期のことである。


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