• 日経平均27001.52262.49
  • ドル円127.79127.80

「二年参り」を広めた鉄道の終夜運転 コロナ禍で2年ぶりの実施へ

終夜運転の嚆矢は成田山に向かう京成

平山昇『鉄道が変えた寺社参詣』によれば、初詣のための終夜運転は成田山初詣輸送における京成と鉄道省(後の国鉄)の競争が生んだという。1926年に成田まで延伸した京成は、それまで独占的に輸送をしていた鉄道省の省線から多くの利用者を奪った。そこで1927年に鉄道省が対抗策として打ち出したのが、元日を迎えるより前、大みそかのうちに出発する臨時列車の設定だった。これが好評を博したため、翌1928年に京成が対抗策を打ち出したのが終夜運転であった。1930年代中頃になると東京圏のほぼ全ての私鉄が終夜運転を行うようになり、電車で二年参りをする習慣が一気に広がったことがうかがえる。

初詣のための終夜運転は成田山初詣輸送における京成と鉄道省(後の国鉄)の競争が生んだという=千葉県成田市の成田山新勝寺(SankeiBiz編集部)
初詣のための終夜運転は成田山初詣輸送における京成と鉄道省(後の国鉄)の競争が生んだという=千葉県成田市の成田山新勝寺(SankeiBiz編集部)

しかし終夜運転は時代の波に翻弄されることになる。1941年に太平洋戦争が勃発すると省線、私鉄とも終夜運転の中止が決定し、そのまま敗戦を迎える。戦後もしばらく終夜運転どころではない時代が続き、ようやく1952年元日になって京成が各社に先駆けて終夜運転を開始。翌年に当時の国鉄や一部の私鉄が続いた。

2021年はこの時以来、初めて終夜運転のない正月だった。その後9月までは新型コロナウイルスが猛威をふるったが、10月以降は落ち着きを見せている。新たな変異株の出現など不確定要素は大きいが、それでも一部の事業者が終夜運転の再開を決断した背景には日常を取り戻すきっかけにしたいという思いがあるのだろう。再来年の2023年元日には全ての会社が終夜運転を行えるようになっていることを願いたい。



Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)