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オミクロン水際強化も…保健所は疲弊

新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大に備えた水際対策強化の影響で、空港周辺の自治体に過剰な負担がかかっている。感染者に加え、航空機の同乗者も濃厚接触者として宿泊施設での待機を求められるため、保健所による施設手配や健康観察などの業務が逼迫(ひっぱく)。国内での市中感染の広がりも現実味を帯びる中、さらなる負担増への緊張感が高まっている。(永井大輔、竹之内秀介)

海外から到着し、検疫のスタッフ(手前中央)から必要書類や滞在地などの確認を受ける旅客=1日、成田空港
海外から到着し、検疫のスタッフ(手前中央)から必要書類や滞在地などの確認を受ける旅客=1日、成田空港

「全力を尽くしてもオーバーフローが十分考えられる」。成田空港を抱える千葉県の熊谷俊人知事は23日の会見で、県の負担増の実情をこう打ち明けた。関係者によると、空港検疫でオミクロン株感染者が見つかるごとに、濃厚接触者も数十人単位で増え、必然的に空港周辺の宿泊施設の利用者が膨らむという。

こうした負のスパイラルは、首都の玄関口である羽田空港周辺の都内保健所にも押し寄せている。

濃厚接触者は滞在先の国に応じて検疫所の隔離施設で一定期間過ごした後、別の宿泊施設に移る人が多く、施設の調整や移動用のタクシーの手配などを保健所が請け負う。その後も毎日のように連絡を取り、健康観察や検査が待ち受けている。

臨海部のある区では今月に入り、新規感染者は5人以内で推移しているが、入国者対応が1日100人ほどに上っている。保健所の担当者は「空港近くの保健所に負担が集中しているのは間違いない。今後、区内の感染者が増えた場合、どれだけ対応できるか分からない」と嘆く。

宿泊施設が多い港区の保健所も数十人単位の濃厚接触者を受け持ち、担当者は「健康な人の健康観察で忙しい。オミクロン株の濃厚接触者が『5・5波』といえるほど、その対応に疲弊している」と頭を抱える。

保健所には感染者の航空機内での座席番号までは伝えられない。「自分はビジネスクラスに乗っていたので、感染者とは席が離れているはずだ」といった帰国者からの問い合わせにも対応できず、無用なトラブルに発展することもあるという。

「自宅で自主隔離するといわれれば、止めることもできない。検疫所で隔離しきれないのであれば、機内全員を濃厚接触者扱いにするのを止めてほしい」。担当者はこう訴える。

検疫所や保健所の業務逼迫で、空港内などで長時間の待機を強いられる入国者の不満も募っている。

都内在住の20代男性は今月5日午後5時ごろ、出張先のオーストリアから成田空港に戻った。抗原検査を受けるのに約3時間、結果が出るまでさらに約5時間待たされた上、陰性と確認後もホテルに移動するバスがなかなか来ず、空港近くのホテルに着いたのは午前5時ごろになっていた。

3日間の隔離後は空港で解放され、男性はタクシーで自宅に向かったが、公共交通機関を利用する人も見受けられたという。国内でも市中感染の確認が相次いでおり、男性は「水際対策は中途半端の印象が否めず、いつかは市中感染が出ると思っていた」と話した。


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