サウジ、中国の支援でミサイル開発 米報道

    米CNN(電子版)は23日、サウジアラビアが中国からの支援を受けて弾道ミサイルを製造していることが米情報機関の分析などから分かったと報じた。サウジには、ペルシャ湾をはさんで対峙(たいじ)するイランがミサイル技術を向上させていることに対抗する意図があるとみられる。軍拡競争が加速し中東域内の不安定性が高まる恐れがある。中国には、米サウジの同盟関係にくさびを打ち込み、中東での影響力を強める狙いもありそうだ。

    サウジアラビアのサルマン国王(右)と中国の習近平国家主席(共同)
    サウジアラビアのサルマン国王(右)と中国の習近平国家主席(共同)

    報道によると、サウジは過去に中国から弾道ミサイルを購入したことはあるが、自ら製造に乗り出したのは初めて。中国から機密性の高いミサイル技術がサウジに移転され、サウジ国内の少なくとも1カ所で実際に製造が進んでいるとみられるという。

    サウジは、イランによる核やミサイル開発、域内の武装勢力支援などを安全保障上の脅威とみて強く警戒。近年は特に、〝裏庭〟ともいえるイエメンのイスラム教シーア派系武装勢力が、イランから供与されたとみられるミサイルでサウジを攻撃するケースが増えている。こうした危機感を背景に、2019年にはサウジと中国がミサイル技術に関する協力を深めていると報じられていた。

    サウジが開発を進めるミサイルの射程などの詳細は不明。サウジが対立するイランは、最大射程2千キロとされる中距離弾道ミサイルや、射程700キロ程度の巡航ミサイルなど、「中東では最大かつ最も多様なミサイル戦力」(専門家)を保有している。(ワシントン 大内清)


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