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ITやバイオ・ヘルスケア、ものづくりの領域を中心に数が急増 大学発ベンチャーが成長戦略を支える

デロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「Morning Pitch(モーニングピッチ)」というイベントを東京・大手町で開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげることを狙いとしています。

モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回は大学発ベンチャーです。


■研究成果型が全体の6割近くを占める

大学発ベンチャーは(1)研究成果(2)共同研究(3)技術移転(4)学生(5)関連ーといったように大きく5つのタイプに分類されます。このうち、大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的でスピンアウトした研究成果ベンチャーが、全体の6割近くを占めています。

大学発ベンチャーの数は、ここ数年で急速に増えています。そのきっかけは2014年に導入された官民イノベーションプログラムです。国立大学によるファンドの設立が可能になり、国は東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学の4大学に1000億円を出資しました。2020年の大学発ベンチャーの数は2905社と、過去最高を記録しています。

■東京理科大発ベンチャーの数は4年で22倍に

業種は大きく7分類され、IT(ソフト+ハードウェア)が最も多く、続いてバイオ・ヘルスケア、ものづくりです。これら3領域で全体の約3分の2を占めます。大学別では4大学が上位を占めていますが、VC(ベンチャーキャピタル)や支援機関を立ち上げるなどして独自の追い上げを行っている大学も目立っています。代表的なのが東京理科大学で、2017年時点は5社だったのに2021年は111社とわずか4年で22倍に拡大しました。

IPO(株式公開)した大学発ベンチャーは合計66社。2021年1月時点の時価総額は3兆630億円です。時価総額上位の代表的なベンチャーは京都大発で再生可能エネルギーの企画・開発・運営を行うレノバや東大発で創薬研究開発を行うペプチドリームなどです。この1年以内を見ても東北大発で医薬品や医療機器、人工知能(AI)ソリューションの開発を行うレナサイエンスなどが上場を果たしています。


■サイエンスの深みなどが成功するためのカギ

成功した大学発ベンチャーには共通項があります。まず、サイエンスの深みです。自身の研究成果が論文として、最も権威のある学術雑誌であるトップ・ジャーナルに掲載され、複数の周辺技術を保有していることが成功事例のひとつです。また、サイエンス、ビジネスの領域で高い知見を備えた人材を、できるだけ早い時期にそろえるなど、バランスの取れたチーム体制の構築も不可欠な要素です。このほか創業者のリーダーシップコミットメントや資金調達力も重要な役割を果たします。


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