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【五輪のレガシー】「四十住(よそずみ)効果」ビッタビタ 和歌山 スケボー王国に⁉

東京五輪のスケートボードで金メダルを獲得した四十住(よそずみ)さくらさん(19)の出身地・和歌山県では、スケボー愛好者・スケーターたちが自由に利用できる施設が昨年3月に完成。四十住さんの金メダル獲得で、さらに人気に弾みがついた。初心者からスケボーの楽しさを実感できる本格施設で、現在は10代、20代を中心に、50代までの幅広い年齢層が利用。県スケートボード協会の井戸崎政之会長(45)は「多くの人たちが技を磨いてくれる状況になれば」と話し、さらなるスケボーの普及を願う。

和歌山県スケートボード協会の体験教室に参加する子供(右)=和歌山市 (藤崎真生撮影)
和歌山県スケートボード協会の体験教室に参加する子供(右)=和歌山市 (藤崎真生撮影)

めちゃ楽しい

バンッ!!。勢いよくスケボーに乗ったままジャンプしようとするが、思うようにいかない。すると「足首を動かして、ここで(ボードを)こするように」「ムズい(難しい)やろ」とインストラクター役の男性が笑顔で丁寧に教えた。

昨年3月にオープンした施設は和歌山市雑賀崎の「わかやまスケートパーク」。滑走部分は約980平方メートルの敷地内に、傾斜のあるピラミッド状のコーナーバンクなど、技を磨く上で必要な7種類の「セクション」と呼ばれる構造物を設置している。

協会では、ここで毎月第3日曜に一般向けの体験教室を開いている。新型コロナウイルスの影響で四十住さんが金を獲得した8月4日当時は一時中断していたが、感染が落ち着いた11月21日から再開している。

同県岩出市の小学3年、中本咲哉さん(9)は約1年前、動画投稿サイト「ユーチューブ」で偶然見たスケボーの動きの華やかさに魅(ひ)かれ、独自に練習を始めた。周囲に基本的な技術を教えてくれる人がいなかったため、この体験教室に足を運んだという。

何度も練習を重ねることで、ジャンプ力は徐々にアップ。「めちゃくちゃ楽しい。飛び方とかが分かって本当に勉強になった」と目を輝かせる。

技磨ける場所

「和歌山県外ではなく、県内にいながら技を磨けるようになってくれれば」。井戸崎会長は施設にかける思いを語る。

背景にあるのは、スケーターたちに練習の場が少ないことだ。そんなスケーターたちの役に立てればと、平成28年に協会を結成した。

四十住さんも金メダルを獲得するまでには、神戸市まで車で長時間移動し、練習していた苦労も知っていた。

県内各地で行われる各種イベントの会場の一角などでスケボーの体験イベントを開催。路上(ストリート)で生まれた芸術表現のスケボーに理解を深めてもらう努力を地道に重ねた。

幅広い年齢層

その努力が県教委の担当者の目にとまり、元ゲートボール場を改修する形で、今回の施設の整備が実現。すると10代、20代を中心に上は50代まで、幅広い年齢層の利用者が集まってきた。

井戸崎会長は「スケボーが五輪の正式種目に決まった時と、四十住さんが金メダルを獲得した時の2段階に分ける形で、人気は高まっている」と手応えを感じている。

県教委の集計によると、あくまで「推計」としながらも、スケボー人気を裏付けるように、施設利用者は昨年度、約1万5千人に上ったという。

この施設には四十住さんも訪れ、滑る様子を自身の写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿。取材に対し、「和歌山県のいろんな場所で、練習環境の整備が進むことを期待しています。みんなが、滑ってはいけないところで滑らないためにもスケートパークを増やしてほしい」とコメントしている。

井戸崎会長は今後も、この施設以外に、広さにこだわらず和歌山市に点在している使われなくなったゲートボール場などを活用し、練習場所を増やす計画を立てている。

「スケートボードを広く理解してもらえる懸け橋になりたい」。井戸崎さんはそう語り、意欲をみせる。(藤崎真生)


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