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世界の超富裕層の資産を管理…知られざる「ファミリーオフィス」の実態に迫る

リスクを管理・分散…年利5~6%

ファミリーオフィスと言えば、「アルケゴス」を思い出す人も少なくないだろう。リスクを過剰に負った取引をめぐっては日本の大手金融機関も巨額の損失を計上。不透明な取引は米議会などでも問題視された。

「10~50億円くらいでスタートする人が多いですが、中には100億、1000億以上の資産をお預かりしているお客さまもいます」と宮本さん。ファミリーオフィスのメインユーザーはけた違いの大富豪であることに変わりはない(Getty Images)※画像はイメージです
「10~50億円くらいでスタートする人が多いですが、中には100億、1000億以上の資産をお預かりしているお客さまもいます」と宮本さん。ファミリーオフィスのメインユーザーはけた違いの大富豪であることに変わりはない(Getty Images)※画像はイメージです

アルケゴスは元ファンドマネジャーのビル・ホワン氏が自分の資産を管理するファミリーオフィスとして設立されたが、自己資金の何倍もの額を動かす積極運用を繰り返していた。それまでファミリーオフィスには米証券取引委員会(SEC)への情報開示義務がなかったため、SECは今回の問題を受け、規制強化に乗り出す方針を示している。

もっぱらアルケゴスに起因する問題とはいえ、ファミリーオフィスにはどこかネガティブなイメージもつきまとう。実際はどうなのか。宮本さんは「もともと一族のお金を集めて運用するのがファミリーオフィスです。投資家からお金を集めて運用しているわけではありません。プロヴィデンティアはシンガポールで投資運用業の免許を取得しており、シンガポールの金融機関登録に従って運用しています。アルケゴスのように何倍ものレバレッジをかけて投資することはありません」と否定する。

同じファミリーオフィスでも千差万別。アルケゴスが特異な例だったということか。「投資してお金を稼ぐというより、次の世代にいかに資産をつないでいくか。これがわれわれの最も大事なスタンスになります」(宮本さん)

基本的には大きなリスクを取らず、債券などで運用する割合が多く、プロヴィデンティアでは年利5~6%程度を目指して運用しているという。米国株インデックスファンドに投資するようなパフォーマンスといえそうだ。資産が増えれば増えるほどリスクを取る必要はなくなる。「現在進行形で事業を展開しているお客さまは自分の事業でリスクを取っており、運用でもリスクを取っていきたい人は多くない」(宮本さん)のも理由だそうだ。

シンガポールに集まる資金

アジアの国際金融センターであるシンガポールでは今、ファミリーオフィスが活況を呈している。もう一つの金融センター・香港で、2020年6月の香港国家安全維持法(国安法)の施行後、資産を差し押さえられることなどを懸念した富裕層が海外に資金を移動させる動きが加速しているためだ。

シンガポール金融通貨庁(MAS)によると、2019年半ば以降、香港などに住むシンガポール非居住者による銀行預金が大幅に増加。2020年4月のシンガポールにおける外貨預金残高は、前年同月比約4倍の約270億シンガポールドル(約2兆2900億円)、非居住者の預金残高は44%増の約620億シンガポールドル(約5兆2500億円)に達している。


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