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パラ選手、谷真海さん 社会の変化「持続するといいな」

「パラリンピックを通して、日本でも多様性のある社会が前進したという実感があります。そして、これからが大事になってくると思います」。東京パラリンピックで日本選手団の旗手を務めたトライアスロン女子の谷真海(サントリー)はそんな思いで2022年を迎えた。自身4度目の大舞台を経て、39歳のママ・アスリートは何を思ったか。改めて話を聞いた。(運動部 田中充)

沿道の応援を受け、笑顔でゴールを目指すトライアスロン女子(運動機能障害PTS5)の谷真海=お台場海浜公園特設コース(宮崎瑞穂撮影)
沿道の応援を受け、笑顔でゴールを目指すトライアスロン女子(運動機能障害PTS5)の谷真海=お台場海浜公園特設コース(宮崎瑞穂撮影)
東京パラリンピックへの挑戦を描いた新著『パラアスリート谷真海 切り拓くチカラ』(集英社)を手にする谷真海さん=東京都内
東京パラリンピックへの挑戦を描いた新著『パラアスリート谷真海 切り拓くチカラ』(集英社)を手にする谷真海さん=東京都内

年の瀬が迫った昨年12月も変わらず、多忙な様子だった。在籍するサントリーのイベントなどで各地のイベントに参加。年末にはNHK紅白歌合戦の審査員にも選ばれた。

大会前後での社会の変化を肌で感じた場面があるという。昨年8月30日に自身のツイッターに投稿した写真に寄せられた反響だ。

選手村の横断歩道で、義足や車いすのトライアスロン日本代表の7選手が並んだ一枚。ビートルズの有名なアルバム「アビイ・ロード」のジャケット写真を模したショットに「みんなちがって、みんないい」と言葉を添えると、3万以上の「いいね」がついた。

「東京パラリンピックの前なら見向きもされなかったと思う。こんなに共感してくれるんだとうれしくなりました」

結婚、出産を経て、初めて家族とともに挑んだ4度目の夢舞台。原則的に無観客だったが、「開催できてよかった」と実感する。例えば、長男の海杜(かいと)くんが通う幼稚園の友達や家族が応援してくれていたと聞いたとき。例えば、海杜くんの友達から「谷選手」と呼ばれるときだ。

共同通信が行った世論調査では、東京パラリンピックが開催されて「よかった」は69・8%、「よくなかった」の26・3%を大きく上回った。パラリンピックへの理解が深まった現状を「多様性という言葉だけにフォーカスしても壁はなくならないけれど、パラリンピックを応援していたら自然に壁がなくなっているって、理想だと思うんです。学校とか社会の中で持続するといいなと思っています」と願う。

自らの未来図はまだ描けていない。「これまで家族の時間を犠牲にしてきたし、年齢のこともあります」。周囲からは「パリも」と、2024年大会への出場を期待する声が聞こえるが、パラリンピック出場はそんな甘くないことも身をもって知る。

ただ、「人生の中にずっとスポーツはある」と感じている。「強化」に重点を置いた軸足を「普及」に比重を移してもいいのかなとも思う。パラリンピック後、地元の宮城・気仙沼で住民たちと触れ合う機会がうれしかった。「コロナ禍でリアルな触れないがここ何年かできていなかった。やっぱりいいですね」。招致時にも熱弁をふるった「スポーツの力」を信じて、新たな1年に向かう。


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