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関西、来年度3%超の成長予測も オミクロン懸念

関西に拠点を置くシンクタンク大手など5社の令和3、4年度の関西経済の見通しが出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着くことで消費をはじめとする経済活動が徐々に正常化し、関西の実質域内総生産(GRP)の成長率は3年度が2・4~2・8%、4年度が2・7~3・2%の高水準になると予測した。ただ、新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大による打撃が大きければ、成長率は下振れする可能性がある。

緊急事態解除後解除後、観光客が行き交うようになった京都・清水寺の参道=10月3日、京都市東山区(永田直也撮影)
緊急事態解除後解除後、観光客が行き交うようになった京都・清水寺の参道=10月3日、京都市東山区(永田直也撮影)

2年度の関西経済については、三菱UFJ銀行がマイナス4・5%、りそな総合研究所がマイナス4・4%など、マイナス成長に沈んだとみている。

3年度は後半以降、外出控えで抑えられていた買い物や旅行、外食などが回復する「リベンジ消費」で復調すると予測。4年度も個人消費の回復が牽引(けんいん)し、成長が持続するとの見方が多かった。

ただ、不安材料も少なくない。3、4年度とも最も低い成長率を予測するりそな総合研究所は世界的に脱炭素化が進み、二酸化炭素排出量が比較的少ない天然ガスの価格が高止まりして企業収益が悪化すると指摘。賃金低下、消費停滞につながり、「負のスパイラルに陥る恐れがある」(荒木秀之主席研究員)とみる。

アジア太平洋研究所(APIR)も、賃金の伸び悩みが消費回復の悪材料になるとみる。関西の雇用環境は全国に比べて「回復ペースが緩慢」で、その背景には非正規雇用の割合が高いことがあるとする。稲田義久研究統括は「賃金が伸びず、消費も防御的になる懸念がある」と分析した。

これまでコロナからの立ち直りを引っ張った製造業も、勢いが鈍るという見方がある。中国経済の早期回復を受けて輸出を伸ばしてきたが、「中国の消費が一巡し、輸出の拡大ペースは低下する」(三菱UFJ銀行)とみられる。

これに加え、新たな懸念材料としてオミクロン株が浮上。大阪府内では4日までに145人の感染が確認された。新たな感染者数も5日に200人を超える見通しとなっている。今後、感染「第6波」が来て経済が打撃を受ける事態になれば「成長率の見通しは下方修正せざるをえない」(りそな総研の荒木氏)。

一方、前向きな要素では、コロナで抑制されていた生産が増産に向かうことや脱炭素向けの技術開発などで設備投資が拡大基調になるという。

三菱UFJ銀行の土屋祐真シニアエコノミストは「2025年大阪・関西万博を見据え、企業からは未来志向の話が多く聞こえてくる」と指摘。日本総合研究所も原材料高騰による押し下げ圧力はあるものの、「企業の業績回復が続き、設備投資は底堅さを維持する見通し」としている。


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