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「おせち」商戦の盛り上がりが寿ぐ日本の未来

年々拡がりを見せる「おせち」の新提案

それにしても、「おせち」を外に注文できる先と言えば昔は高級店やホテルと限られていたように思います。そう言えば有名な「すきやばし次郎」のドキュメンタリーには、限られたひいき客への感謝の気持ちを毎年オリジナル「おせち」に込めてお届するシーンがありましたが、それほどに手作り、特別なものという位置づけだったのです。

ですが最近ではコンビニやファミレス通販などカジュアルな業態への拡がりが年々増えていますし。もちろん本家本元飲食店業態では、和食に限らず、中華、イタリア風、スペイン風と、年々「おせち」の提案をするお店が増え、まあ本当に楽しいことになっています。

飲食店業態以外で参入が早かったのが、百貨店。百貨店という業態は、年から年中イベント開催が当たり前の業態。そんな中、やはり新年らしい「おせち」をほっておくわけもなく、まして高額な単価は、百貨店の客層ともぴったりとあったというわけです。そして最近どんどん参入が増えているのが通販業態。直接生活者に訴求する技術の高さと、お届するまでの経験値もあって、せっかくだから頼んでみようかという人の需要をその提案力で掘り起こしています。

お重を上げる瞬間のワクワク感はおせちならではの悦び(写真AC)
お重を上げる瞬間のワクワク感はおせちならではの悦び(写真AC)

供給側から見た「おせち」に力を入れる理由は、食品加工技術や保存技術の進化で、「おせち」というある程度日持ちする食品を定型の容器に詰めるかたちであれば、調理、製造加工がしやすいという部分も大きいに違いありません。もっと言えば日持ちする調理法でも、美味しいと言わせる技術こそプロの腕の見せ所です。

そして何より「おせち」は1万円~3万円が相場と言われますから、相対的に高額な商品でもあり、それなりの量が見込めれば手間暇かけるだけの商売的な甲斐があり、何よりそれなりの食材を使えるので美味しさを表現しやすいという面でもモチベーションを持てる製品と言えるのではないでしょうか。

ブランド価値が効く「おせち」商戦

自宅でのプチ贅沢や、SNSでの発信などの生活者意識の変化に、作り手側のやる気も相まって盛り上がる「おせち」ムーブメント、ある調査によれば6割の家庭で何らか「おせち」を外にお願いするということです。

■2021年おせちに関するトレンド調査 約6割がおせち購入予定 個食おせちも人気


過去には、事前の写真イメージとあまりにもかけ離れたものが届いたとニュースになったこともあり、参入が多いゆえの負の側面もありましたが、この競争環境であれば結局長期的には納得感のあるものを提供するところだけが生き残るに違いありません。

生活者サイドとしてみれば、所詮は1年に1回しか頼まないものだから判断が難しく、貴重な年始のひととき失敗したときのリスクは結構大きく、まして家計にとっては結構な奮発でもあり、となれば、やはりなんらか信頼感のある提供元に頼みたくなるのが人情です。まさに大企業も個人の飲食店もブランド価値がこんな瞬間に問われます。ということで、逆に言えば何らかの顧客接点に強みもつ企業には、おせち提案の勝機ありということで、まだまだ、「おせち」販売の盛り上がりは続きそうです。

世界経済のダイナミズムは、否が応日本にも厳しい試練、競争環境で挑んでくる昨今ですが、「おせち」に体現される日本ならでは送り手、受け手双方の生活文化の工夫、創意、遊び心を考えれば、いやいやどうして今年もまだまだ頑張れる良い年になるだろうと思うのでした。


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