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「路線図にない貨物線」が誘う希少な旅 知られざる貨物列車と専用駅を特別公開

貨物列車しか走らない鉄道路線がある。時刻表の路線図にも記載されていない貨物線だ。その知られざる貨物線を貸し切り列車で走行し、貨物列車専用の駅の特別公開イベントに参加できるツアーが話題を集めている。乗車時間だけなら往復120分ほどの旅だが、ツアー代金はなんと2万5000円。一般の感覚からすると高めの価格設定ながら、2月のツアーはすでに残りわずかという人気ぶりだ。ツアー会社の担当者は「希少性を感じているお客さまは全国にいて、遠方からお越しになる人もいる」と胸を張る。

知られざる貨物線を貸し切り列車で走行し、貨物列車専用の駅の特別公開イベントに参加できるツアーが話題を集めている
知られざる貨物線を貸し切り列車で走行し、貨物列車専用の駅の特別公開イベントに参加できるツアーが話題を集めている

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知られざる貨物列車の世界

貨物線を走行する貸し切り列車が運行されるのは、茨城県を走る鹿島臨海鉄道。ツアーは2月13日と、3月6日に実施される。

鹿島臨海鉄道は鹿島臨海工業地帯への物資輸送のため旧国鉄や県、進出企業の共同出資で設立され、1970年に当時の北鹿島駅(現・鹿島サッカースタジアム駅)と奥野谷浜駅を結ぶ路線が開業。後に、国鉄の財政悪化で開業が危ぶまれた水戸−北鹿島間の路線を引き受け、1985年に水戸~北鹿島~奥野谷浜をつなぐ現在の鹿島臨海鉄道の全線が開通した。このうち水戸−北鹿島間(大洗鹿島線)は旅客列車が走る。水戸駅付近を除いて踏切もなく、非電化ながら大部分が高架という高規格の路線だ。

ツアーの目玉は、初期に開業した北鹿島−奥野谷浜駅間の鹿島臨港線。かつては旅客列車が走行していた時期もあったというが、1983年12月以降は貨物専用の路線となったため車窓を楽しむことができない。この貨物線用の鹿島臨港線を貸し切り列車で特別運行し、通常は公開されていない貨物用の神栖駅でイベントに参加できるというのが“売り”のようだ。企画した旅行大手のクラブツーリズム(東京)によると、2月13日のツアーは今月6日現在、残りわずか「6席」(担当者)。3月6日のツアーはまだ余裕があるとのことだが、いずれ完売となりそうな勢いだ。

幼少の頃、「かもつれっしゃのワムくん」(関根栄一著・小峰書店)という絵本を読んだ記憶がある。貨車である主人公のワムくんが港の駅に到着。その後、海の中を走るといったストーリーだった気がする。山から街へ、そして海へ。時折、駅で見かける貨物列車の行き先が気になってはいたが、このツアーに参加すれば、貨物列車の“生態”の一端がのぞけるのかもしれない。

貸し切り列車は午前9時52分に茨城県大洗町の大洗駅を発車し、鹿島サッカースタジアム駅から貨物線に入り、神栖駅を目指す。神栖駅では約150分間にわたり、ディーゼル機関車の汽笛吹鳴や「オリジナル貨車車票づくり」といった貴重な体験ができるという。その後、列車は大洗駅を目指し、午後3時2分に同駅に到着。全体で約5時間の行程だ。

クラブツーリズムの担当者は「鹿島臨港線に乗車してみたいというお客さまの声から実現した。貨物線なので旅客車両は走っていない。かなり貴重な機会であることは間違いない」と話す。とはいえ、ツアー代金の2万5000円というのはいささか強気の設定ではなかろうか。

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「本当はもっとたくさん(人数を)入れられるが、そこをあえて、新型コロナウイルスの感染対策ということで限定しているので、どうしても旅行代金は高くなってしまう」と担当者は説明する。「密」にならない空間で感染症対策を徹底するため人数制限を設けており、各日最大30人に限定しているのだという。

なるほど、大型観光バスの定員よりも少ない30人で列車を貸し切り、貨物線を特別運行するツアーだからこその料金ということか。知られざる貨物線と貨物駅。鉄道ファンならずとも興味をそそられる。多少懐は痛んでも、ぜひにも見てみたい気がしてきた。



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