「人事部にはあらゆる陰口が集まってくる」業績は高いが評価されない人に欠けている“ある観点”

    PRESIDENT Online

    経営者が特に嫌うのは「評論家タイプ」

    私はこれまで1万人以上の採用面接、昇格面接や管理職研修にたずさわり、評価会議などを通じて多くの経営者と接してきました。

    社員を評価する上司の「好き・嫌い」は人によって異なりますが、経営者の「好き・嫌い」には、実は共通する傾向があります。

    ほとんどの経営者が嫌っている社員のナンバーワン、それは「評論家タイプ」です。

    評論家タイプとは、口が達者で、偉そうなことは言うものの、自分では何も行動しない社員です。彼らは、会社や組織、上司や部下、商品やサービスなどの問題点を、鋭く論理的に指摘したりします。

    しかし、「だったらオマエがやれ!」と言われると、「○○部が担当すべきでしょう」「○○さんの役割でしょう」などと責任を取ることを避けようとしたり、それができないと、今度は「できない理由」を並べ立てて、決して自分でやろうとはしません。

    こうした社員は、その名の通り「評論家タイプ」と呼ばれており、経営者からは特に毛嫌いされています。

    また、こうした評論家タイプは、上司からは高い評価を得たとしても、経営者の判断で「低評価」に変わってしまうことが少なくありません。

    一流大学を卒業し、MBAを取得している超エリートであっても、「評論家タイプ」には厳しい評価が下されます。評価とは、「成果」と「行動」によって判断されるもの。どんなに立派なことを言っても、「行動」に移さなければ、評価はされないのです。

    言い訳ばかりする「タラレバ社員」も要注意

    「もっと営業が頑張っていたら、絶対に売れていたのに」

    「時期さえ早ければ、この企画は成功していた」

    「もっと人が足りていたら、こんな結果にはならなかった」

    このように「○○していたら」と仮定の話を持ち出して、失敗の言い訳をする

    「タラレバ社員」も、ほとんどの経営者が嫌っているタイプの代表格です。

    「もっとスケジュールに余裕があったら……」

    「もっと予算があったら……」

    「もっと設備が整っていたら……」

    仕事をしていれば、そう言いたくなる場面はあるものです。しかし、そうしたタラレバ発言はNGです。

    「そんな条件、整うわけがないだろう!」

    多くの経営者がそう叫んで、怒りを露わにする場面を私は何度も見てきました。仕事に「タラレバ」はありません。今ある状況で何とかするのが、高い評価を得ている人たちなのです。(人事コンサルタント、フォー・ノーツ代表取締役社長 西尾 太)


    西尾 太(にしお・ふとし) 人事コンサルタント、フォー・ノーツ代表取締役社長。「人事の学校」「人事プロデューサークラブ」主宰。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリエイターエージェンシー業務を行なうクリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。これまで1万人超の採用、昇進面接、管理職研修、階層別研修を行なう。パーソナリティとキャリア形成を可視化する適性検査「B-CAV test」を開発し、統計学に基づいた科学的なフィードバック体制を確立する。著書に『人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。』(労務行政研究所)などがある。


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