中国でロックダウン拡大 北京五輪組織委はオミクロン株に「注視」

    【北京=三塚聖平】中国河南省安陽市は12日までに、新型コロナウイルスの感染拡大によりロックダウン(都市封鎖)の状態に入った。陝西(せんせい)省西安市もロックダウン入りから半月以上が過ぎ、新変異株「オミクロン株」の感染者が確認された天津市も一部地域で部分的な封鎖を実施。北京冬季五輪の開幕が来月4日に迫る中、大会組織委員会も警戒を強めている。

    北京冬季五輪の開幕が目前に迫る中、都市封鎖の状態に置かれた中国河南省安陽市で、PCR検査を受ける市民ら=10日(CFOTO=共同)
    北京冬季五輪の開幕が目前に迫る中、都市封鎖の状態に置かれた中国河南省安陽市で、PCR検査を受ける市民ら=10日(CFOTO=共同)

    中国メディアによると、安陽市では今月8日から12日朝までに累計120人超の感染者が確認された。オミクロン株とデルタ株の感染が同時に広がっており、「二重の圧力」(国営中央テレビ)を受けている。安陽市当局は10日夜から、約550万人の全市民を対象に外出禁止令を出し、一般の車が市内を通行することを禁じた。

    孫春蘭(そんしゅんらん)副首相はこのほど、先月23日からロックダウン状態が続く西安から河南省に駆けつけ、「ゼロコロナ」を早期に実現するよう指示した。河南省では、省都の鄭州市などでも感染者が確認されている。

    オミクロン株の市中感染が中国本土で初確認された天津では、市内の一部地域で部分的な封鎖措置がとられた。12日には約1400万人の全市民を対象としたPCR検査の2巡目が始まった。トヨタ自動車は、PCR検査の対応に伴う移動制限や仕入れ先の稼働状況などを考慮し、天津の合弁工場の稼働を10日から停止している。

    注視されるのは習近平政権の威信をかけた五輪への影響だ。北京冬季五輪組織委員会は11日のオンライン記者会見で、オミクロン株の流行について「注視している」と述べた。中国在住者のみに限る観戦チケットは販売方法も公表されておらず、招待客に絞るといった感染対策の強化を検討しているとみられる。


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