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才能を発揮しチャンスを掴む ジョリタを育んだリトアニアの小さな町~女子編

彼女が生まれたのは1980年代末だ。リトアニアは1990年、旧ソ連から独立した。しかし1990年代、リトアニアは旧体制の名残が強く国レベルでは難儀な時期であったと聞く。

「子どもだったこともあるけれど、そうした国レベルのシステム変更とはあまり関係なく、小さな町だったけど、文化的にもの足りないと感じることはなかったわ」

彼女はクリエイティブなことが好きな子に育った。前述のダンスやピアノに加え、絵を描き、詩を書いた。両親は会社の管理職で祖父は医師だった。親類も含めてクリエイティブな職とは無縁である。

夏にはノルディックウォーキングに励む
夏にはノルディックウォーキングに励む

きっと学校教育の影響だったのだろう。先生たちが熱心にいろいろな活動に背中を押してくれた。

「活発で外交的な子だったの。でも、同時に内向的な面ももっていた。友達にはジョリタはいつも何か新しいことをやっていると言われたわ」

今、大学のあるカウナスは子どもの頃からよく行っていた。カウナスはリトアニア第二の都市だ。親戚がいたのだ。18歳のとき、大学生としてカウナスに住み始めた。定評のある大学で自分の興味のある内容が学べそうだった。

学部時代では哲学、コミュニケーション、戦略、イノベーションといった科目に関心が高かった。卒論ではクリエイティブ産業を対象にした。デザインファームのリサーチ分析である。そして、修士と博士課程を経て、現在、母校にて研究員で教員である。

これから更に研究領域を広げていきたいと考えている。現在、ファッション分野でも関心の焦点になっているサーキュラーエコノミーのリサーチも進めていく。ビジネスはリトアニア国内に集中するが、研究においては他国の事例もカバーしていきたい。ファッション大国であるイタリアも当然視野に入っているわけだ。

ジョリタは子どものころから思春期にいたるまで、そして大人になってからも自らの才能を十全に発揮し、チャンスをがっちりと掴んでいるように見える。それぞれのタイミングでそれなりの障壁も苦労もあったのだろうが、それを跳ね返す力は小学生の時代に既に育まれたと想像させるにふさわしい人生をおくっている。眩しいばかりだ。


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