先日、高校の先輩が亡くなった。朝日新聞で東京本社編集局長などを歴任し、作家活動なども行っていた外岡秀俊さんだ。68歳だった。メディアにもよく登場する人だったので、知っている人も多いことだろう。彼の訃報は、多数のメディアが報じた。
私は、数ヶ月前にイベントでご一緒したばかりだった。事前打ち合わせ、本番、イベントレポートの原稿まとめという一連のプロセスで、その丁寧な仕事ぶりを間近で見ることができ、大変に勉強になった。
訃報に接し、イベントで共演した、高校の恩師であり作家でもある、外岡さんの10代からの親友・澤田展人さんに電話をした。澤田さんによると、外岡さんは「たまに胸が痛い」と言っていたそうだ。
日本人の平均寿命、健康寿命は世界トップクラスである。とはいえ、突然亡くなる人がいるのもまた事実だ。著名人の訃報があるたびに「早すぎる死」という声もあがる。年齢を重ねると、突然何があるかわからない。友人・知人、上司・同僚の突然の訃報で動揺したことは、このコラムを読んでいるあなたにも1度は経験があるのではないだろうか。
もちろん、健康にいくら気を使っていても、病気になることはある。とはいえ、健康こそ最大の武器である。いまするべき健康対策を考えよう。
「テレワーク疲れ」に気をつけろ
私が警鐘を乱打したいのが「テレワーク疲れ」である。自由で柔軟な働き方とされるテレワークを支持する人も多いが、これによる健康トラブルには要注意だ。特に「通勤もなくなり、人と会わなくていいし、テレワーク最高!」と思っている人にこそ伝えたい。テレワークはユートピアにも、ディストピアにもなり得る働き方なのだ。
まず、テレワークは長時間労働を誘発する可能性がある。パフォーマンスが向上する人もいるが、その分、疲れがたまることにもなりかねない。オンライン会議は「全員が最前列」という状態になりえるが、それゆえに緊張感も増し、やはり疲れる。仕事の無茶振りなどの“リモハラ”や、コミュニケーションが取りづらい、孤独化しやすいという問題もよく耳にするようになった。
加えて、通勤が減るため運動不足になりやすい。「痛勤」と呼ばれるほどに過酷な日本の通勤を礼賛するつもりはないが、とはいえ通勤自体には歩行する機会創出や気分転換にはなっていた。ずっと在宅という状態が続くことで、いつの間にか筋肉が落ちていく感覚を抱いた人もいるのではないだろうか。筋肉が落ちるということは、スポーツをしない人や肉体美を追求しない人にも関係する、健康上のトラブルを誘発するのだ。