新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」には、昨年の感染第5波で猛威を振るった「デルタ株」とは異なる特性がある。静岡県健康福祉部の後藤幹生参事は、感染させる力はデルタ株の3倍ほどだが症状は軽く、ワクチンの感染防御効果は低下するものの重症化防止効果がある-との知見を示している。
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ただ、感染力の強さから濃厚接触者にも隔離が求められるため、軽症や無症状での自宅療養者も含めた急増で社会活動を担う人材の不足が生じると後藤氏は指摘。「食事を伴う会合は4人以内で短時間にしてほしい」と感染抑制対策の徹底を呼び掛けた。
こうした特性を踏まえ県は、まず病床確保に注力。現状の約450床を500床台に増やすよう医療機関に既に要請した。また軽症者などの隔離徹底のため、宿泊療養施設となるホテルも現在の7施設から上乗せする。
自宅療養者については、医師の診療を受けられるよう対応態勢を強化。血中の酸素飽和度を計測するパルスオキシメーター貸与や食料品の配送についても、市町と連携して継続する。
後藤氏は「早期発見と早期隔離が、感染爆発を抑えて社会活動を続けるために必要。感染が心配な人はぜひ県の無料検査を利用してほしい」と訴えた。
無料検査は無症状の県民が対象で、窓口は「ウエルシア薬局」「杏林堂薬局」などの調剤薬局併設店や「アールアンドオー衛生検査所」など県内約220カ所で、県ホームページに一覧を掲載。抗原検査ならおよそ15分、PCR検査は数日で結果が判明する。県は「発熱などの症状がある人は対象外。医療機関を受診していただきたい」と注意を呼びかけている。