• 日経平均28027.84-134.99
  • ドル円138.53138.56

基礎的財政収支の黒字化、8年度に1年前倒し 政府目標は堅持 見通しの甘さ指摘も

政府は14日の経済財政諮問会議で、財政健全化の指標となる最新の中長期財政試算を公表した。必要な政策経費を新たな借金(国債発行)をせずに賄えるかを示す国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化の達成時期を令和8年度とし、昨年7月の前回試算から1年早めた。昨年11月に決定した追加経済対策に伴う税収増が主な要因。7年度の黒字化目標は堅持するが試算の甘さも指摘され、達成が厳しいことに変わりはない。

岸田文雄首相
岸田文雄首相

中長期試算は、新型コロナウイルス禍は続くが経済の正常化も進み、中長期の経済成長率が物価変動を除いた実質2%程度、名目3%程度の高成長の「成長実現ケース」を前提とした。

4年度税収は過去最高の65兆2千億円を見込み、前回試算(61兆4千億円)から大幅に上積みした。追加経済対策の効果で景気が回復し、企業の業績向上で法人税収が増えると期待した。その後も税収増による収支改善を見込み、PB黒字化の達成時期を前回の9年度から8年度に前倒しした。

社会保障費の抑制など歳出改革を継続することで、政府目標の7年度の黒字化の達成も可能としている。

菅義偉(すが・よしひで)前政権が昨年6月にまとめた経済財政運営の指針「骨太の方針」ではコロナ禍の経済財政への影響を検証して目標年度を再確認すると明記していたが、新試算で7年度の目標達成が視野に入ったとして、目標は維持することにした。

ただ、目標達成の前提となる経済成長率はバブル経済期並みの高成長率で、バブル崩壊後の〝失われた30年〟で一度も実現できていない。また、現状の経済成長率に近い実質1%程度、名目1%台前半の「ベースラインケース」では7年度のPBは4兆7千億円の赤字で目標は達成できない。

税収も3年度はもともと低く設定していた見通しが予想外に上振れたが、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「今後は伸びが鈍化する可能性がある」と指摘し、過去最高を更新する4年度の見通しに疑問を投げかける。政府の甘い黒字化見込みは既に揺らいでいる。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)