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“パクリ商品”にあらず 開発に1年半…「関西シウマイ弁当」は老舗の労作

容器については姫路のまねき食品と横浜の崎陽軒には共通点があった。まねき食品が手掛けた日本初の幕の内駅弁の容器は、シウマイ弁当の大きな特徴でもある経木。ご飯から出る水分を経木が吸収し、冷めてもおいしく食べられるのだという。当然、関西シウマイ弁当も容器は経木となった。

シウマイ弁当の大きな特徴は経木の容器。ご飯から出る水分を経木が吸収し、冷めてもおいしく食べられるのだという(SankeiBiz編集部)
シウマイ弁当の大きな特徴は経木の容器。ご飯から出る水分を経木が吸収し、冷めてもおいしく食べられるのだという(SankeiBiz編集部)

昆布だしとかつお節の旨み

ご飯とおかずでは崎陽軒のスタイルと関西らしさの両立を狙った。「ご飯のこだわりは崎陽軒さんからご指導をいただきました。おかずも関西の食材にしたり、関西風の味付けにしたりして手間をかけました」とまねき食品社長の竹田さんが振り返る。

商品開発の道のりは長かった。まず駅弁のおいしさを決めるとされるご飯の調理では、米の味と歯触りをしっかり感じられる状態に炊き上がるよう水分量を何度も調整。おかずも「関西らしさ」を表現するため、食材や調味料の選定から盛付け方に至るまで試作を重ねたという。

構想から1年半で完成した関西シウマイ弁当は、一見すると崎陽軒のシウマイ弁当とほぼ同じだ。しかし中身はしっかりと関西風。細部に至るまでこだわりの逸品が詰まっている。

まずシウマイ。もっちりとした豚肉は、関西の出汁(だし)文化には欠かせない昆布だしとかつお節で旨みを引き出し、刻みレンコンを混ぜ込んで風味豊かに蒸し上げたという。

名脇役のタケノコ煮も関西風だ。その名も「拍子木(ひょうしぎ)切り筍(たけのこ)煮」。姫路のソウルフードでもある「まねきのえきそば」の出汁で煮ているのが特徴だ。シウマイ弁当の特徴である俵飯にも、関西で好まれる「白ゴマ」をふりかけている。

パッケージデザインは酷似しているようで、よく見るとかなり異なる。崎陽軒のシウマイ弁当のパッケージは黄色だが、関西シウマイ弁当はオレンジ色。東西共通の水晶玉のデザインに映りこむ風景は、関西版では姫路城や明石海峡大橋、通天閣などのシルエットとなっている。一見すると気づかない違いを施した、意外な芸の細かさだ。水晶玉に寄り添うように描かれる大きな図案は「崎陽軒のパッケージは龍ですので、うちは虎にしました」(竹田さん)という。

関西シウマイ弁当は税込み960円。昨年11月26日から1日100個限定(後に200個)で販売したところ、またたく間に人気に火が付いた。姫路駅の中央売店では午前9時と午後2時の販売開始時間の30分前から整理券を配布。1人5個までに限定している。関東から関西に赴任した転勤族にも人気だといい、竹田さんは「関東の方は本当にシウマイ弁当が好きなんだなと実感しました」と語る。

東西の駅弁の雄がコロナ禍で手を携え、約1年半の開発期間を経て誕生した関西シウマイ弁当。想像以上の売れ行きに、崎陽軒も「コロナ禍の影響がある中、地元の方を中心に多くのお客さまに手に取っていただいており、嬉しく思っている。コロナ禍の収束後、関西と横浜の往来が可能になった際には、より広い地域の方々にご賞味いただきたい」としている。

感染力が強いオミクロン株への置き換わりが進み、再び新型コロナウイルスの急激な感染拡大が深刻化しているが、コロナ禍が落ち着いたらぜひ、東西のシウマイ弁当の食べ比べをしてみたい。



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