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首相施政方針演説、いまだ見えぬ「新しい資本主義」

岸田文雄首相は17日の施政方針演説で、政権が目指す「新しい資本主義」の全体像と実行計画を今春取りまとめると表明した。気候変動やデジタル、経済安全保障といった社会課題の解決を軸に、産業構造や国民の暮らしを含む「経済社会変革」に取り組む方針。ただ、いまだに理念先行で方向性が分かりづらい面は否めず、成長と分配の好循環に向けた道筋を春までに明確に示せるかが問われる。

衆院本会議で施政方針演説を行う岸田文雄首相=17日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)
衆院本会議で施政方針演説を行う岸田文雄首相=17日午後、国会・衆院本会議場(矢島康弘撮影)

「さまざまな弊害を是正する仕組みを『成長戦略』と『分配戦略』の両面から資本主義の中に埋め込む」

首相は今後取り組む経済社会変革について、こう指摘した。デジタルや気候変動など「日本の弱み」とされてきた分野に投資を集めて成長エンジンに転換し、格差問題にも正面から向き合う。こうした社会課題の克服が次の成長につながる好循環を生み出すと説く。

岸田政権はこれまで、企業に賃上げを求めることで消費を活性化する好循環を前面に出し、演説でも賃上げ率の低下傾向を「一気に反転させる」と強調した。

だが、令和4年度税制改正に盛り込んだ優遇措置拡充は小粒にとどまり、企業に人件費拡大を決断させるには力不足とされる。目玉だった介護職員らの賃金引き上げは4年度予算でまとめたとはいえ、既に手詰まり感が漂う。好循環実現には、賃上げの原資となる企業の業績向上を後押しするため、いよいよ成長戦略に本腰を入れる必要がある。

一方、ITで地方を活性化する「デジタル田園都市国家構想」や、労働者の技能を高める「人への投資」など、政権のカラーを反映した成長の〝種〟は徐々にそろってきた。今春の実行計画では成長戦略を具体的に肉付けし、目指す経済社会変革とその果実が国民に現実感を持って伝わるようにすることが求められる。(田辺裕晶)


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