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米、北と「対話」維持 無策に疑問も 中国は静観、支える構え

【ワシントン=渡辺浩生、北京=三塚聖平】北朝鮮の頻度を増すミサイル発射に対し、バイデン米政権は国連安全保障理事会決議への違反と非難する一方、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に対話を呼びかける姿勢を崩さない。日本列島を含む地域のミサイル防衛(MD)網に対抗する能力進展に警戒感を強めているようだが、挑発のエスカレートを封じ込める戦略を打ち出せていないとの指摘も出ている。

11日、米ジョージア州アトランタで演説するバイデン大統領(AP)
11日、米ジョージア州アトランタで演説するバイデン大統領(AP)

米国務省報道担当者は米東部時間16日深夜に談話を発表した。要点は①複数の安保理決議違反を非難②対話呼びかけの維持③日韓の防衛は強固-の3点で過去3回のミサイル発射時の内容と表現に変化はない。

ただ、最近のミサイル実験について、最新の議会調査局報告書は「地域のミサイル防衛の効力を破るための能力構築を図っている」と警戒を促す。北朝鮮がある時点で、米本土へ直接の脅威となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)や多弾頭ミサイルの発射にレベルを上げる可能性も否めない。

だが、バイデン政権は日韓と連携しつつ、北朝鮮に対話の扉を開け続ける以外に具体的な戦略を明示していない。米中央情報局(CIA)の分析官を長年務めたスー・ミ・テリー氏は昨年12月、本紙取材に「北朝鮮が対話を望んでいないのなら、何ができるのか。兵器を高度・多様化し、ますますつけ上がっている。現実をもっと直視すべきだ」と政権の無策を指摘した。

一方、中国は北朝鮮のミサイル発射に静観の構えだ。中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は17日の記者会見で、「朝鮮半島の平和、安定という大局に着目し、対話と協議の正しい方向を堅持するよう各国に呼びかける」と述べた。

中国の習近平政権としては、対立が続く米国の関心や矛先が北朝鮮やロシアといった他国に向かうのは好都合とみられる。米国にとって北朝鮮問題の重要度が増せば、北朝鮮の後ろ盾として影響力を保つ中国は、バイデン政権に対する〝外交カード〟になるとの計算も働いているとみられる。

北京冬季五輪の開幕を目前に控えた時期だが、北京の大学教授は「核実験などに踏み込まなければ、中国には許容範囲内なのではないか」と指摘する。

中国外務省報道官は13日の会見で、米国が北朝鮮の兵器開発担当者を独自制裁の対象に追加したことを非難。中朝間では約1年半ぶりとなる陸路貿易を再開した。習政権は現時点では、制裁や新型コロナウイルス禍で経済が逼迫(ひっぱく)する金正恩政権を支えていく考えとみられる。


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